先輩パパとママに聞きました!vol.133

赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.4「赤ちゃんのおしゃれ、お母さんのおしゃれ。」

2021/4/6
赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.4「赤ちゃんの... 赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.4「赤ちゃんの...

多くのファンを持つ大阪のファッションブランド「MOI」のデザイナー、岡田奈美さん。この冬に満1才を迎えたばかりの縫(ぬい)ちゃんを育てながら、天職とも言えるデザイナー業に日夜全力で取り組んでいます。ファッションとものづくりを心から愛する岡田さんならではの赤ちゃんとおしゃれの話、妊娠・出産、そして子育てと仕事の関係について、全6回に渡ってお聞きしました。4回目は赤ちゃんとお母さんのおしゃれについてのお話です。

(前回のつづき)

ーー日々のさりげない着こなしがとても素敵な岡田さんですが、娘さんとのファッションは、どのように楽しんでいますか?

岡田さん
出産のお祝いで、娘には本当にたくさんお洋服やお下がりをいただいたので、娘の着るものは、いまのところ実はほとんどプレゼントでまかなえてしまったりしています。どれも本当に素敵なものばかりなので、うれしく、ありがたいです。

白い抱っこひも

ーー愛情や想いのこもったお洋服を毎日赤ちゃんに着せてあげられるというのは、とても幸せなことですね…。赤ちゃんの着るものに関してこだわりはありますか?

岡田さん
やっぱり赤ちゃんのお洋服は、肌に直接触れるものですから、上質な天然素材のものを着せてあげたいなと思います。私自身の洋服でいえば、マタニティのときと同じで、お母さんだから着る服が変わった…ということは特にありません。私自身、天然素材ももちろん大好きですが、それ一辺倒というのはあまり好みではなく、いろんな素材それぞれが持つ個性や独自の魅力をファッションで楽しみたいと思っているんです。ただ、やっぱり抱っこの多い時期は、赤ちゃんにやさしいものが着たいから、自然と天然素材のものを選ぶことが増えました。ただしナチュラル=ふんわり、ゆったり…というわけではなく、どこかにシャープさがあったり、遊び心や反骨精神が感じられるものだったりと、自分の好きな世界観は大切にしたいと思っています。

あくびをしている赤ちゃん

ーー日々の岡田さんのSNSでの着こなしを見ていると、おっしゃっていることがすごく分かるような気がします。

岡田さん
素材の扱いやすさや、動きやすいデザインなどももちろん大切ですが、赤ちゃんがいるからといって、着たい服をすべてあきらめる必要もないと思っていて。たとえば私は、「MOI」の真っ白なオリジナルキルトで赤ちゃん用のアイテムを作りましたが、白は汚れやすいイメージがあるのか、市場には赤ちゃん用の白いアウターやカバー類を見かけることってあまりありません。でも、実は白い生地は汚れても漂白しやすいし、お手入れしながら長く使っていける。赤ちゃんにもとても似合うし、意外とおすすめの色だったりするんです。

真っ白なオリジナルキルト

ーーなんだか、目からウロコです…!柔軟な考え方で、無理はせず、でも自分らしいおしゃれが存分に楽しめたらいいですね。

岡田さん
私の母もファッションが好きだったので、子どものころからミンクのコートやKENZOのお洋服など、本当に自由にいろんな服を着せてもらっていました。

今、娘の着ている洋服を見ながら、同時に自分が子どものころに着ていた服に思いを馳せるような、そんな不思議な気持ちになるときがあります。衣服は、言ってしまえばただ着るだけのものではあるけれど、記憶を通じて、親子の過去と現在、未来をつなぐことのできる、すごく特別なものにも成りうるのだと思うんです。

いろいろなおしゃれを楽しんでいた、岡田さんの幼少期。右はお姉様と。いろいろなおしゃれを楽しんでいた、岡田さんの幼少期。右はお姉様と。

ーー毎日我が子に着せている洋服は、親の自分にとっても大切な記憶の一部になるし、写真として残していれば、未来の我が子にも、子どものころの記憶として届けることができる。おしゃれって、まるでタイムマシーンのような役割も担っているのかもしれませんね。

岡田さん
本当にそうですね。子どもは成長が早いので、実際に着られるのは短い期間かもしれませんが、それでも家族の記憶にはずっと残っていくものなんだと思います。

ただ、赤ちゃん時代の洋服は親が選ぶことがほとんどだと思いますが、子どもの自我が芽生えてきたら、今度は自分で選ばせてあげる…ということも大切になってくるのではと思います。当たり前のことですが、子どもは自分の所有物ではないですし、自分の意思があるので。お客さまから、「子どもがキャラクターものを着たがるけれど、自分としてはキャラクターものを着せたくない」という相談を受けることがあるのですが、私は全然着せてあげるタイプ(笑)。自分で選んだ好きな服を自分で着ている!っていう喜びは、子どもにとってすごく大切な体験だと思うし、キャラクターものの洋服を着ている子ども時代特有の姿というのも、私はすごく愛おしく思うから。もしも娘にそういう時代が来たときは、喜んで好きな服を着せてあげたいです。

ーー本当にそうですね。お子さんを尊重する姿勢、改めて見習っていきたいです。そして、岡田さんの作るベビー服や子ども服も見てみたいです…!

岡田さん
「MOI」は、いまはレディースが中心ですが、元々は子ども服からスタートしたブランド。ありがたいことに、また子ども服を作って欲しい、というお声もお客さまからたくさんいただきます。やるからにはしっかりとオリジナリティを大切にしてやりたい気持ちもあって、いまは色々と考えを温めているところです。15年ぶりに赤ちゃんと過ごすことで新たに気づくことも多々あり、愛のこもった子ども服を、真摯なものづくりを経て、いつかみなさまにお届けできればと思っています。

岡田奈美

PROFILE

岡田奈美このライターの記事一覧

大阪発のファッションブランド「MOI」デザイナー。メンズリメイクブランド「ink」のデザイナーである夫の岡田真幸さんと共に、大阪の昭和町でコンセプトショップ「PERK」を営む。2019年12月に縫(ぬい)ちゃんを出産。1才を迎えたばかりの縫ちゃん、15才の心温(しおん)くんとの4人暮らし。
@ moi___official

(制作 * エチカ)

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