先輩パパとママの毎日コラムvol.470

子育てで学ぶこと、感じること。「マタニティフォト」

2022/3/11
子育てで学ぶこと、感じること。「マタニティフォト」 子育てで学ぶこと、感じること。「マタニティフォト」

子どもを産んでから、マタニティフォトに対する意識が変わったというカメラマンの大畑陽子さんのお話です。

子どもが産まれてから、家族写真をとる個人的なプロジェクトを立ち上げました。

普段の写真はスマホでも、時々はプロのカメラで家族みんなが映る写真をとって欲しいという想いからです。気軽に写真が撮れる時代だからこそ記念になる写真、額縁に入れたくなるような写真、宝物になるような写真を、残して欲しいなと思うのです。

もともと商業写真のカメラマンを目指していた私。写真館での写真というよりは、メディアに出て多くの人に見てもらえる写真を撮っていきたいと思っていました。

そんな駆け出し時代に迎えた東日本大震災。それぞれが自分の職業を生かして人々を助けていく中、カメラマンは何の役にも立たないと感じ私はショックを受けました。自分の職種を生かして人助けをしていく方々が本当に尊く見えました。

しかし、嘆く私の前には必死に家族の写真を探す人々の姿がありました。それを見て私は雷が落ちるほどの衝撃を受け、写真はこんなに必要とされるものだったのか、私の志す職業だって素晴らしい貢献ができるじゃないか、と気がつきました。

それをきっかけに家族写真への想いが変わり、私の手で全力で残したいと言う気持ちが強くなっていったのです。

時が経ち、私にも家族ができ子どもが産まれ、その想いは更に深いものに変わっていきました。今までは「家族写真」というカテゴリーでしか考えていなかったものが、子どもの愛おしさだとか、親が子を思う気持ちに想いを重ねられるようになり、家族写真への情熱も強くなるばかり。 そんな風にして私の家族写真プロジェクトは始まっていきました。

マタニティフォト1

そして妊娠出産を経験したことで感じ方が一番変わったのがマタニティフォトでした。

自分が妊娠しているときには、丸いおなかは太って見えるし、好きな服も着られないし、肯定的にみることが難しかったのですが、いざ出産して我が子を溺愛してしまうと、妊婦さんのまあるいおなかがまぁかわいいことかわいいこと。マタニティ写真を撮るときはいつもファインダーを覗きながら、「かわいい、かわいい」と連呼しています。あのフォルム、ここにあんな愛おしいものが入っていて、お母さんは必死にここまで守り抜いたんだと思うと、もうまんまるおなかが美しくて仕方ありません。

マタニティフォト2

私は自分が母のおなかにいるときの写真を見たことがありません。私が産まれる前の母と父の二人の写真も結婚式の写真以外見たことがありません。昔はそれが普通だったのかもしれませんが、見てみたかったなと思います。私が母のおなかにいるとき、母はどんな顔をしていたのか。どんなおなかに私がいたのか。

マタニティ写真を撮影した妊婦さんからは、「自分たちがあまりに幸せそうな顔をしていてびっくりしました」、「なんだか分からないけど涙が出ました」という言葉をもらいました。その気持ち、すごく分かります。だって私も二人がとても幸せそうで、写真をセレクトしながら泣けてくるのですもの。

「マタニティ写真を撮って」と頼まれると私はとってもうれしくなります。ここから始まる家族の物語、その序盤のページを私の手で残すことができて、その写真はきっと、ママにもパパにも、産まれてくる子どもにとっても大切な写真になることでしょう。

ぜひ残しておきましょう、マタニティ写真!

大畑陽子

PROFILE

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フォトグラファー。自然光での人物撮影を得意とする。大事にしているのは表情。現在写真集の出版と写真展の開催を企画中。
https://www.o-hatayo-ko.com/

(制作 * エチカ)

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