先輩パパとママの毎日コラムvol.545

サンフランシスコのんびり子育て日記「サプライズ妊娠報告!」

2022/11/17
サンフランシスコのんびり子育て日記「サプライズ妊娠... サンフランシスコのんびり子育て日記「サプライズ妊娠...

コミックやアートブックの翻訳出版を手がける神戸一絵さんが、サンフランシスコを舞台に繰り広げる初めての妊娠・出産・子育ての物語。初登場の今回は、職場への妊娠報告についてお届けします。

初めまして。いきなりキュートな赤ちゃん姿で失礼します。

2019年に、半年前に購入したばかりの愛しい我が家に後ろ髪を引かれながら、夫の仕事の都合でアメリカ・シリコンバレーに引っ越し、翌年サンフランシスコで人生初めての妊娠・出産を経験しました神戸一絵(かんべかずえ)です。夫婦ともにアメリカには縁もゆかりもなく英語力はそこそこ、さらにコロナ禍。そんな中での病院探しや慣れない育児は、今思い返しても当時の自分たちをギュッと抱きしめて労いたくなるような出来事の連続でした。でも、アメリカの合理的な考え方、カリフォルニアのlaid-back(おおらかな)な環境に大いに助けられ、「むしろここで子育てできてラッキーやん?」と思えた育児のあれこれを綴っていきます。

日本での仕事を辞めて渡米。気ままな駐在妻生活を堪能した数ヵ月ののち、従来怠惰な私は専業主婦に向いていないことを痛感、現地のサブカル系出版社に就職しました。私の所属チームは日本出身とアメリカ出身が半々で全員日本語が話せるものの、社員の9割以上はアメリカ出身。仕事環境は日本と違う場面が多々ありましたが好きな分野で仕事ができることが嬉しく、私は張り切っていました。

そんな矢先、妊娠が発覚。仕事を始めたのが6月、妊娠がわかったのは9月末でした。ずっと望んでいた妊娠が嬉しい反面、仕事を始めてたった4ヵ月で妊娠だなんて受け入れてもらえるのか、上司・同僚に迷惑をかける、育休明けに今のポジションに戻ってこられるのか、アメリカに育児休業手当はあるのか…などさまざまな不安で、いつ上司に伝えるべきか逡巡していました。

10月上旬、意を決して直属の上司(トップ写真左です)に打ち明けました。中学時代に初めて好きな子に告白した時より緊張しました。上司は開口一番、「おめでとう!〇〇さん(彼女の別チームの部下)も最近妊娠がわかったし、私って縁起物みたい!」と朗らかに受け入れてくれたのです。この瞬間、つわりが半減したかと錯覚するほど安堵したことを覚えています。さらにその場で引き継ぎの計画も立て、のちのち産休中のサポート体制もバッチリ整えてくれました。

10月下旬になり、私は上司以外の同僚にいつどうやって妊娠のことを伝えようか思案していました。一人ずつ肩を叩いて言うことでもないし、察してもらって「そうなの、実は…」というのも何となく気恥ずかしい。

上司にポジティブな反応をもらえたことで気をよくした私は、数日後に開催される会社のハロウィンパーティをXデーとすることに決めました。何故なら近所のパーティ用品店でこの衣装に出会ったからです。

一目見てビビっときました。アメリカはちょっとしたスーパーくらいの広さのパーティ用品専門店が街に一つはあります。アメリカ人のパーティに対する情熱が伺えます。一目見てビビっときました。アメリカはちょっとしたスーパーくらいの広さのパーティ用品専門店が街に一つはあります。アメリカ人のパーティに対する情熱が伺えます。

パーティ当日は出社してメールチェックを済ますと、トイレに籠城、いそいそと着替えます。衣装の内側には小さい扇風機がついていて、スイッチを入れるとブウーンという機械音がなり膨らみ始め、程なくして大きな赤ちゃんが完成。のしのし歩く姿で周りを含み笑いの笑顔にしつつ、ドアに挟まり棚にぶつかりつつ、仕事を再開。

上司と事前に打ち合わせ、人事に関する重要な報告があるので個室に集まってほしい、とチームメンバーを緊急招集。「みんな、急に集めてごめんね。実は、このたび一絵さんが…」眉間にしわを寄せ深刻な面持ちの上司を見て、緊張が走る同僚たち。「…お母さんになりまーす!」

上司のたね明かしと同時にスタイの裏に書いた“I'm gonna be a MOTHER!”(母になります!)の文字を披露。安堵と驚きの入り混じった笑顔で「おめでとう!」と喜んでくれる同僚たち。一人も不満や不安を漏らす人はいませんでした。

チームメンバーに祝福された妊婦ベイビーは飛ぶ鳥を落とす勢いです。ハロウィンパーティの中盤にはダンスタイムがあり、声をかけてくれる他の同僚にもスタイの裏を見せながら、マイケル・ジャクソンからインスパイアを受けた、妊婦とは思えない機敏な(当人比)即興ダンスを披露。特別賞を受賞しました。

ダンス後の休憩タイム。座っているだけでカメラ映えするよい衣装でした。妊婦って疲れやすいですよね。ダンス後の休憩タイム。座っているだけでカメラ映えするよい衣装でした。妊婦って疲れやすいですよね。

結局、産前は予定日2週間前まで働き、産後は3ヵ月半で職場復帰しました。まだまだ子は寝ないし自分の骨盤はガタガタな時期でしたが、気持ちは前向きでした。協力的にサポートしてくれる同僚に報いたい、仕事に戻りたいと自然に思える環境で働きながら子育てできたことはアメリカ生活の財産です。ちなみに日本に帰国した現在も、フリーランスとしてこの会社の上司や同僚と仕事をしています。

翌年のハロウィンは参加メンバーが増えました。娘は当時生後5ヵ月。愛犬は2才で、娘と同じアメリカ生まれ。翌年のハロウィンは参加メンバーが増えました。娘は当時生後5ヵ月。愛犬は2才で、娘と同じアメリカ生まれ。
神戸一絵

PROFILE

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大阪府出身。2019年に渡米し、現地のサブカル系出版社に勤務。2020年にサンフランシスコで第一子(一人っ子予定)を出産。現在は神奈川県鎌倉市在住で、子育てをしながらフリーランスでコミックやアートブックの翻訳出版にたずさわる。鎌倉の丁寧な暮らしとアメリカの合理的な子育てのハイブリッドを目指している。

(制作 * エチカ)

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