食べごと研究所・山田奈美さんのこころも整う一皿「つわり中にも授乳中にもおすすめの『切り干し大根とニラの中華和え』」
日本の食文化の素晴らしさを受け継ぐ活動「食べごと研究所」を主催する山田奈美さん。薬膳の考えと発酵食を取り入れた食事をすることで、しだいに心身ともに整ったという体験から、築90年以上もなる古民家に移り住み、アトリエで「和食薬膳教室」や「発酵教室」、「離乳食教室」を開講しています。そんな山田さんに妊婦ママにおすすめの「切り干し大根とニラの中華和え」を教えていただきました!
今回ご紹介するのはニラと切り干し大根が主役の一皿です。
薬膳では、ニラは野菜の中でも体を温める働きが強い食材とされています。とくに腰や膝を温める働きがあるといわれるため、体を冷やさないように気をつけたい妊娠中にはぴったりですね。食物繊維も豊富で、胃腸を活性化させる働きにも優れているため、便秘になりがちな妊婦さんの強い味方に。消化を促したり、胃のほてりを取る作用もあるため、つわりのときにもおすすめです。
大根は生では体を冷やす性質ですが、天日に干して水分をしっかり抜いた切り干し大根なら安心して食べられます。低カロリーなうえ、干すことで栄養もうま味もぎゅっと凝縮され、妊娠中に必要な鉄分やカルシウムも豊富にとることができます。母乳を通してカルシウムが奪われやすい授乳中にも積極的に取りたいですね。
RECIPE
切り干し大根とニラの中華和え
所要時間:5分
材料(2人分)
・切り干し大根(乾)…15g程度
・ニラ…7〜8本
・A コチュジャン…小さじ1
醤油…小さじ1/2
ごま油…小さじ1
みりん…小さじ1
塩…少々
・炒りごま…適量
作り方
- 1.切り干し大根はさっと洗って汚れを落とし、濡らしたさらしに包んでしばらくおく。柔らかくなったら食べやすい大きさに切る。ニラは4cm長さに切る。
- 2.Aを混ぜ合わせ、切り干し大根とニラを和える。器に盛って炒りごまを散らす。
(ポイント)
切り干し大根は長時間水につけて戻すと、うま味や甘みが抜けてしまうのでもったいないです。濡らしたさらしなどに包んでしばらくおけば柔らかくなります。今回、ニラは生のままでいただくレシピですが、さっと茹でてから和えても食べやすくなります。コチュジャンは甘酒と粉末の韓国唐辛子、塩を混ぜて熟成させるだけで手作りできますよ。
PROFILE
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薬膳・発酵料理家/国際中医薬膳師/「食べごと研究所」主宰。
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。雑誌やwebなどで発酵食や薬膳レシピの提案や解説を行うほか、神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて、「和食薬膳教室」「季節の仕込みもの教室」「発酵教室」「離乳食教室」などを開催。 日本の食文化や手しごとを継承したり、体にやさしい季節の食養生を伝える活動を行い、幅広い世代の支持を集めている。著書に『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)、『疲れた日のスープ 頑張る日のスープ』(文化出版局)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(家の光協会)など。
http://tabegoto.com
(制作 * エチカ)