神楽坂発酵美人堂・清水紫織さんの、パパにお任せ “醤”を使った発酵一汁三菜 #2 〜お魚編〜 漬けて焼くだけ!「醤漬けブリのゴマ焼き」の満足ごはん
妊娠をきっかけに発酵食と出会い、発酵料理専門の料理教室「神楽坂発酵美人堂」を立ち上げて、たくさんの人にその魅力を伝える清水紫織さん。前回に引き続き、発酵万能調味料の“醤(ひしお)”を使った、料理が苦手なパパにも作れる簡単な発酵一汁三菜メニューを教えていただきました。今回は、栄養たっぷりのブリがメインのメニューです。
——今回のメインディッシュ、「醤漬けブリのゴマ焼き」はどんなメニューですか?
清水さん
ブリは血合いもあってボリューム感があり栄養豊富です。以前ご紹介した、万能発酵調味料の「醤(ひしお)」に漬けることで柔らかくなると同時に、生臭さを消し脂っこさも軽減されるのでさっぱり食べられます。ゴマは食感も良いですし、ブリ同様妊婦さんの貧血予防にも良いです。ブリ以外にはマグロ、鰹、サバなどもよく合いますよ。
——「醤」の魅力は、なんでも合わせられる万能さもあるかと思いましたが、「ほうれん草の和え物」では、辛子を追加するソースが美味しそうですね。ほかにおすすめの組み合わせがあれば教えてください。
清水さん
練りごまと混ぜて胡麻和えにすれば、辛子が苦手なお子さま用にもなりますし、ジャムと赤ワインと煮詰めるとお肉の美味しいソースにもなります。その他、ニンニクや生姜、大葉などの薬味とも相性がとても良いです。「醤」は、お醤油だと思って色々と合わせてみてください。
——妊婦さんはすっぱいものが食べたくなるとよく言われますが、今回の副菜では「蓮根の酸っぱ炒め」も喜ばれる一品ですね。清水さんは妊娠中、食の好みの変化はありましたか?
清水さん
酸味やさっぱりしたものを好むようになりましたが、逆に味付けの濃いものを欲する時期もあったりと、変化していました。基本的に食事は私が作っていたので、そのときの私の食べたい好みに合わせたり、便秘になりやすい時期なので食物繊維や発酵食品を意識的に多く取り入れた献立にしていました。結果、家族にとっても良い食事になっていましたね!
——やはり、発酵食品は妊娠中にも活躍ですね!手軽に摂取するならやはりお味噌汁でしょうか。
清水さん
そうですね、やはり味噌は発酵食品の王様だと思います。消化吸収の良いタンパク質、ミネラル、大豆イソフラボンがたっぷりな上に、お味噌汁にすることで野菜の食物繊維も摂れます。塩分も実はお味噌汁1杯中には1gと少量ですし、香りがもたらすリラックス効果や美肌効果など魅力は尽きません。何より発酵することで生まれる旨味でしみじみ美味しいのが良いですね。
——最後に、前回のお肉も今回のお魚も、食べ応えもあってバランスもとれたメニューなのに、料理初心者や時短でも作れる手軽さが嬉しい内容ですが、献立を考える際のアドバイスはありますか?
清水さん
味の面で言うと、脂が多めのメイン料理(今回のブリなど)のときには、酢や辛子などの脂を流す作用のある味の副菜を合わせると、最後まで美味しく食べられると思います。
作り方の面から言うと、「全部を頑張りすぎない」ですね。メイン料理に手をかけるならお味噌汁は乾物に頼るとか、一品は生でそのまま食べられるものにするなど。火を使わなくてできる和え物はいくつか覚えておくと便利です!
RECIPE
●醤漬けブリのゴマ焼き
材料(2人分)
・ブリ…2切れ
・醤…大さじ2 ※作り方はこちら
・みりん…大さじ2
・炒りごま…大さじ2
・オリーブオイル…少々
作り方
- 1.ブリは余分な水分をペーパーで拭き、醤とみりんを混ぜたものを両面に塗って30分〜常温に置く(〜ふた晩まで冷蔵庫で漬け置き可能)。
- 2.ブリの片面に炒りごまをたっぷりかけ指で軽く押さえ、ごまを密着させる。
- 3.フライパンにオリーブオイル少量を中火で温め、ごまの面を下にして中弱火で焼く。フライ返しを使ってそっと裏返し両面焼いたら出来上がり。
RECIPE
●ほうれん草の和え物
材料(2人分)
・ほうれん草…1/2把
・醤…大さじ1.5
・辛子…小さじ1弱
作り方
- 1.湯を沸かしほうれん草をさっと茹で冷水にとる。水気をよく絞り食べやすい長さに切る。
- 2.ボウルに醤と辛子を混ぜ、1のほうれん草を加えてよく和えたら出来上がり。
RECIPE
●蓮根の酸っぱ炒め
材料(2人分)
・蓮根…90g
・醤…大さじ1
・米酢…大さじ1
・胡麻油…大さじ1/2
作り方
- 1.蓮根はスライサーで7mmくらいの薄切りにする。
- 2.フライパンに胡麻油を熱し、中火で蓮根が透き通るくらいまで炒める。
- 3.一旦フライパンを火から離し、醤と酢を加えて全体をよく混ぜる。
- 4.火口に戻し、サッと炒めたら出来上がり。
RECIPE
●大根と油揚げのお味噌汁
材料(2人分)
・水…400ml
・昆布…10cm
・鰹節(小さいパックのもの)…1g
・味噌…大さじ1〜
・大根…1/8本
・油揚げ…1/2枚
作り方
- 1.鍋に水、昆布、鰹節を入れて弱火にかけ沸々してきたら昆布を引き上げる(鰹節はそのまま食べる)。
- 2.皮を剥いて拍子切りにした大根と細切りにした油揚げを加え、大根に火が通るまで煮る。味見をしながら味噌を溶いて出来上がり。
PROFILE
清水紫織このライターの記事一覧
自身のアレルギー改善をきっかけに発酵料理人の伏木暢顕氏に師事し、広く発酵食の魅力を伝えたいと2015年に発酵料理専門の料理教室「神楽坂発酵美人堂」を立ち上げる。発酵をより深く学ぶため、東京農業大学醸造科学科で科目等履修生として三年学ぶ。教室運営のほか発酵食品のブランドも手がける。0才からの腸活を掲げキッズ発酵教室も定期的に開催。著書に『発酵料理のきほん –はじめてでも、とびきりおいしく』(朝日新聞出版)、『発酵調味料でつくる からだにいい 発酵スープ』(朝日新聞出版)、時短にもなって、多忙なママやパパにおすすめの『発酵食のストックレシピ “漬けて置く”だけ、おいしく整う』(マイナビ出版)。
https://www.hakko-bijindo.com/
(制作 * エチカ)