藤田進

毎日のこと

先輩パパとママの毎日コラム

vol.421

絵本やさんの子育て便り「〜出産のはなし〜」

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札幌で長く続く絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」代表の藤田進さんは、子どもと大人のための月刊新聞の編集長も務めるバイタリティあふれるお父さん。今回は、まもなく3人目が生まれる今、過去2回の出産について振り返っていただきました。

絵本やさんの子育て便り「〜出産のはなし〜」 絵本やさんの子育て便り「〜出産のはなし〜」

つい先日、妻と話しながらふと「ヒトの出産ってなんでこんな大変なのだろう?」 という疑問がわいてきました。妊娠してから、10ヵ月間、おなかがどんどん大きくなっていき、身体的にも精神的にも変化していくし、自分の身体の中でどんどん大きくなっていく命と向き合いながら、しかも、こんなに大きな赤ちゃんを身体の外に「生み出す(出産する)」のです。なぜ、この方法なのか、なんか、もっと別の方法がなかったのか…。

なぜ、そんな疑問がわいてきたかというと、妊娠中の妻をまじまじと眺めながら、今起こっていること、そしてこれから起こることを想像して、「お母さんって本当にスゴイなぁ」と思ったからです。

しかしながら、人類はこの超絶大変な方法で、地球上に繁栄しているのですから、この方法には何か大切な意味があるのかもしれない。そんなことすら考え始めてしまいました。長男と長女の出産に立ち会ったときには、そんなことも考える余裕もなく、ただただ起こることに必死に対応していただけだったのですが、3人目になってようやく妻の置かれている状況を、ほんの少しだけ理解できるようになってきたのかもしれません。(遅!)

我が家の初めての出産は早朝でした。夜中に静かに妻が起き出して、半身浴を始めました。僕は、寝ぼけ眼でぼんやり妻の動きを確認して、また眠りに落ちました。「なにしてんのかなー」くらいにしか思ってなかったのですが、そのときすでに妻は陣痛と向きあっていたのです。今考えると気がついてもよさそうなのですが、1ミリも気がついていなかった。それに、妻によると「まだ、先が長そうだから、この人はいま起こさないでもう少し眠っててもらおう」という作戦だったようで、なんと冷静な…。やがて、朝、まだ薄暗い頃「ねぇ、生まれる気がする。病院連れてって」と起こされて、僕は、ようやくそこで事態を把握したのでした。

車中のことは少しも思い出せません。病院に到着してからは、できることはほとんどなし。妻に言われるがままに、背中をさすったり、腰をおしたり、分娩室でちょこんと座ってオロオロするばかり。助産師の仕事を間近にみながら、すごい仕事だなぁと感心しながらも、いま何をしていてどんな状態なのか、少しも分からないまま時間が過ぎていきます。

息子が出てきたのは、病院についてから2時間後。へその緒が首に巻きついていたり、胎盤が剥がれないで少し手術をしたり、そんなこともありましたが、初めてのことでもう何がなんだか。ともかく、赤ちゃんが生まれ、妻も無事。それに、赤ちゃんがとっても繊細で、すばらしく美しいことといったら!立ち会ってみて、できることもなく、ほぼ何もしていないのですが、どういうわけか「息子が誕生する瞬間にいた」ということだけで誇らしく思います。その息子はいまは7才で、ひとりで小学校に通っています。

こんなに大きくなりました。さらさらな雪が降った朝 楽しくて仕方ない息子。こんなに大きくなりました。さらさらな雪が降った朝 楽しくて仕方ない息子。

その彼が4才のときに娘が生まれました。娘の出産には、息子と2人で立ち会いました。そのときのことを息子に聞いてみると「パンとバナナを食べてさ、生まれた後は黄色い椅子で待ってたよね」だそうです。長期戦になるかもと思い、息子のために家にあった食べ物をもって病院に行ったのですが、そのことをよく覚えているようで、へその緒を切らせてもらったことや生まれたての妹のことは、あまり印象に残ってないみたい(笑)。

分娩室でバナナを食べながら、お母さんを励ましている息子。分娩室でバナナを食べながら、お母さんを励ましている息子。
出産後、妻と娘は入院中。長男と二人暮らし中の一枚。出産後、妻と娘は入院中。長男と二人暮らし中の一枚。

さて、冒頭の問い、「ヒトの出産ってなんでこんなに大変なのだろう?」に、僕なりに答えをだしてみます。それは、「助け合うため」なのかなと…。子どもを生み育てるには、ひとりではなく複数の人間が関わり助け合わないと、生み育てられません。もっと、助け合わないとなぁ。妊娠も出産も子育ても誰かとの関係性の中で生まれてくることですもん。

昆虫の多くは、卵から孵ると、両親は近くにはおらずひとりで自活。動物たちの場合は、大体が父親は不在で、母親がひとりで子育てをし、自立する期間も人より短い。人間は、他の動物に比べると成長がゆっくりしているのかもしれません。それに、人が人として育つためには、人との関わりがたっぷり必要ですし、特に、乳幼児期に近くにいる大人との親密で愛情に満ちた関係がなければ生きていけません。だからこそ、出産のときから、そうならざるをえないような方法になっているのかもしれない、というのが僕の答えです。

僕の仕事は、「こどもの生活と遊びの道具屋」ですが、それらの道具って、人と関わるってことを通して用いる道具が多いんですよ。次回は、赤ちゃんを育て始めた我が家の、絵本やおもちゃのことを書いてみます。

小学校1年生のときの息子と3才の娘。小学校1年生のときの息子と3才の娘。

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藤田進

PROFILE

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北海道むかわ町出身。札幌育ち。えほんとおもちゃの専門店「ろばのこ」代表、庭ビルの運営に携わり、子どもと大人のための「庭しんぶん」編集長。女の子と男の子の二児の父、まもなく3人目が家族に仲間入りする予定。
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(制作 * エチカ)

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