先輩パパとママの毎日コラムvol.539

子育てで学ぶこと、感じること。「ほどよい田舎でくらす、子どもを育てる」

2022/11/7
子育てで学ぶこと、感じること。「ほどよい田舎でくら... 子育てで学ぶこと、感じること。「ほどよい田舎でくら...

Uターン移住してお子さんを育てるカメラマンの大畑陽子さん。都会好きだった大畑さんが、田舎での暮らしを語ります。

今回は東京からUターン移住した私が感じる、ほどよい田舎での生活についてのお話です。私の故郷はちょっとした辺境で、町に駅はなく最寄りの駅まで車で15分ほどかかります。関東平野に田園風景が広がり、その先には秩父連邦が軒を連ね、天気がよければ富士山も見えます。東京には少し遠いですがギリギリ通勤圏内。大学生のときは私も都内まで通っていました。

大学を卒業してから34才まで、10年ちょっと東京で一人暮らしをして、出産を機に田舎に戻りました。東京が大好きだったので、退屈にならないか不安でしたが、意外にも「田舎暮らし」が私にはとても合っているようです。

遮る建物がなく思いっきり太陽を浴びて、写真を撮りたくなるような夕日を拝んで、全身で風を感じて、触りたい時に土を触って…。春夏秋冬しっかりと四季を感じるようになり、それが今とても心地よいのです。庭や畑で無邪気に遊びまわる子どもたちを見ているだけで癒されるし、保育園の帰り道に夕日がキレイだねと話すことに幸せを感じる毎日。こんな些細なことに日々が癒されるなんて、思いもよらないことでした。

写真を撮りたくなるような景色

「小さいことだけど、実はストレス感じていたんだな…」と気が付くこともあります。たとえば洗濯物。私が住んでいた東京のマンションではベランダがあっても、そんなにたくさんは干せませんでした。密集させると乾きにくいし、でもたくさん洗いたい。洗濯は基本週末だけど、週末は遊びにも行きたいし、天気が良いとも限りません。それが今は、広いから洗濯物をいくらでも干せるのです。快感!布団だってシーツだって、日当たりも風通しもいいからすぐ乾きます。本当に小さなことですが、そういうことの積み重ねで今ストレスフリーだと感じているのだな、と思うのです。

たとえば、車でどこに行っても駐車場には困らないし、野菜は地産地消で新鮮なものが安く手に入ります。車で移動できる生活は子連れにはとてもありがたいものですし、授乳やオムツ替えもとても助かりました。赤ちゃんがいくら泣いても気にならない雄大さも魅力です。そして遊び場は無限大で、どこに行っても広くて余裕があります。私が一番好きな遊び場は夏の川遊び。私の家から車で30分いくと桃源郷のような渓谷があります。

渓谷

木漏れ日がきらきら美しくて、山から降りてくる水はとっても冷たくて気持ちがいい。川の音を聞きながら、足をちゃぽちゃぽつけているだけで浄化されるよう。川の水は冷たいので、休憩をはさみつつも1〜2時間で遊びは終わり。そんな気軽な感じも気に入っています。

冬は氷遊び、氷を割るのは毎朝のお楽しみ。従兄弟が集まるお正月は、それぞれオーナメントのような氷を作って遊んだりもしました。霜柱は大人も夢中になって踏んで遊んでしまいます。年末年始の大事なイベントお餅つきは、子ども達の毎年のお楽しみです。

氷を持つ息子

それから私が好きなのは季節ごとにある様々な町のイベント。商工祭だったり、町民体育祭だったり、夏祭りだったり、音楽祭だったり、マルシェだったり、近隣の町にも足を伸ばして様々なイベントを楽しみに出かけています。地元のことを知るいい機会であり、地域の人たちとコミュニケーションを取れる有難い場です。自衛隊の戦車がきていたり、白バイにまたがらせてくれたりもします。年齢層も幅広く色々な人と話せるので、とっても楽しいです。

赤ちゃんが生まれて一緒に生活をするようになってから、ストレスのない生活がこんなに大切なんだと知りました。思うようにいかないことばかりなので、ストレスゼロなんて無理ですが、なるべく自分に無理のないようにしたいものです。私にとってはそれが田舎暮らしでした。

家族写真/お餅つき

子ども達とお散歩をしていると、近所の人たちはみんな声をかけてくれます。そこで世間話をしたりするのも楽しくて、人と話をするだけで1日が有意義なものになった気がします。4才の息子が今ハマっているのが「こんにちは散歩」。散歩で会った人に大きな声で「こんにちは!」と言うもので、挨拶をすると相手の顔がパアッと明るくなるのが分かって私もうれしいです。小さい子に元気に挨拶されたらうれしい気持ちになる人は多いですよね。「元気だねぇ」とか「大きな声で挨拶できていいねぇ」なんて褒めてもらえるので、息子もご満悦です。

自然な環境の中に身を置くことがこんなに自分の心のデトックスになると思いませんでした。気が付くと私のこころは、前よりずっと柔軟になっていると感じています。

大畑陽子

PROFILE

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フォトグラファー。自然光での人物撮影を得意とする。大事にしているのは表情。現在写真集の出版と写真展の開催を企画中。
https://www.o-hatayo-ko.com/

(制作 * エチカ)

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