Life is a Journey!!「マタニティライフの思い出」


フォトグラファーとして、ミュージシャン・絵描きの顔を持つ会社員の夫と愛娘にメロメロ。夫婦で綴る育児奮闘記、今回はマタニティライフについてです。
妊娠中も、できるだけいつも通りの生活を心かげていました。そんなある日、「撮影が終わったらランチ」「打ち合わせの後はヨガに」と、時間があれば1日に何件も予定を詰めてしまう私を心配した夫から「1日に用事はひとつだけだよ!」と忠告が…。年が明けてすぐ、予防接種を受けていたのにインフルエンザにかかってしまい、それからはできるだけ夫との約束を守るようにして(笑)、無理はしないようにゆっくり楽しくマタニティライフを過ごしました。
安定期に入り、まずは妊娠するまで知らなかった初めての行事、戌の日参りへ。安産祈願の最中もおなかの中で元気にムニャムニャと動いていました。まだ自分だけしかわからないその感覚が、とっても不思議だったのをよく覚えています。
妊娠したことを報告し、一緒に喜んでくれる友達。先輩ママにお祝いしてもらえる機会もあり、とにかく嬉しいことが増えました。電車で席を譲ってくれた知らないおばちゃんの優しさやアドバイスに涙が出そうになったことも。人の優しさ温かさにたくさん触れ、少しずつ母になる実感が湧いてきました。

3月。お医者さんに許可をいただけたので、自分の体調も万全に整えて韓国に仕事に行ったのは7ヵ月頃のこと。飛行機ではCAさんから「生まれてくるお子さまにどうぞ」とかわいいおもちゃをいただきました。そして現地の友人が、お洋服のプレゼントを用意してくれていました。自分ではまだ何も準備してなかったので、初めての赤ちゃん用のお洋服とおもちゃにドキドキ。
撮影は無事に終わり、体調も良好。美味しいものをたらふく食べ、韓国を満喫できました。この頃は胎動が目に見えてわかるくらい、グニョングニョンと動くようになり、みんなが「元気な子をね!」とおなかをさすってくれました。

3月末。実は妊娠中にずっと悩んでいたことがあります。
結婚式はどうしよう?
気がついたらどんどんとおなかが大きくなってしまい…のんびりな私たちらしい結末。一度でいいから白無垢を着てみたかったなぁ。
そんな時、親友が「二人の誕生日プレゼントに」ととても素敵な機会を作ってくれました。大好きな写真家・平間至さんの写真館での撮影を予約してくれたのです。
「ウェディング衣装とヘアメイク、お花は自分で用意してきてね!」と言われ、お休みの日には、二人で衣装をとにかくたくさん探しました。白無垢はやはりおなかの大きさ的に難しく、ドレスもお直しなどいろいろ必要だったので、夫とトーンを揃えてワンピースとセットアップで。スタイリストの友人たちのアドバイスのおかげでお気に入りの衣装を用意できました。
当日の朝には、いつもお世話になっているヘアサロンでセットしてもらい、いざ平間写真館へ。

撮影の準備をしていると…!
あれ?
どんどん友人がスタジオに入ってくる!?なんと、私たちの共通の友達をたくさん集めてくれるというサプライズだったのです(協力してくれたのは、当日会場に来られなかった友達を含めると50人!)
そしていざ撮影!となったその時。突然、私の家族も現れました。
驚きと嬉しさで、びっくりしすぎて、涙より笑いがこみ上げてきました。サプライズ潰しで有名な私も、さすがにここまでは気がつきませんでした!
平間さんに撮影してもらったのはこの時が初めて。写真館のスタッフのみなさんも盛り上げてくれて友人と、家族と、二人でと、いろんなカットを撮っていただきました。こんなに写真を撮ってもらったのは初めて!我が家の家宝です。

事前の打ち合わせで、「私はカメラ、夫はベースを持って来てね」という話になっていたので、大事なものと一緒に撮影してもらえたのも良い思い出です。これから子どもが生まれて、成長していく過程もこうやって写真館で残していきたいな。そして私も写真でそんなことができるように頑張らなきゃ!

大切な友人たち。みんな忙しい中、こんなに素敵な1日を準備してくれてありがとう。一生忘れません。

4月。8ヵ月頃、急に思い立って伊豆の温泉宿に1泊旅行へ。温泉付きの海の見えるお部屋でとにかくのんびり過ごし、これからやってくる生活のことなどいろんな話をしました。子どもの名前のアイデアを出し合ったり漢字を考えたり、道中もずっと笑って幸せを感じる時間だったな。子どもNGのお宿だったので、次にここに来られるのは何十年後になるね。

5月。夫のライブをどうしても観たくて密かに計画し、大阪へ。夫に心配をかけぬよう、ちゃんとホテルでお昼寝して体力を温存し、座りながら久々のライブを楽しみました。いつかこの子にもお父さんのステージ姿を見せてあげよう!

そして出産後はしばらく来られないかもしれないと、愛媛の夫の実家まで立ち寄ることに。久々の瀬戸内海に癒され、みかんをたくさん食べて栄養補給し、写真もたくさん撮れ、大満足の旅となりました。たくさんのわがままを黙認してくれた夫よ、ありがとう!

妊娠した頃は、出産までまだまだ長いなぁと思っていたマタニティライフ。順調に快適に過ごすことができ、あっという間に臨月でした。お仕事もたくさんできたし、やりたいこともやったし、会いたい人にも会えました。あとは美味しいものをたらふく食べ、出産に向けてラストスパート!というところで産休に入りました。

PROFILE
石野 千尋このライターの記事一覧
1983年生まれ。東京工芸大学芸術学部卒業後、渡英。Central Saint Martins, London Collage of communicationを卒業。在学中より仕事を始め、色と光を大切に、世界中を飛びまわりながら日々写真を撮り続けている。
http://www.chihiroishino.com/Instagram @chihiroishino
(制作 * エチカ)