先輩パパとママの毎日コラムvol.53

ママのはじめて「私はママに、ママはおばあちゃんに」

2017/1/13
ママのはじめて「私はママに、ママはおばあちゃんに」 ママのはじめて「私はママに、ママはおばあちゃんに」

二人の男の子のママで写真家の長塚奈央さんに聞いた、子育ての楽しい&嬉しい! はじめてのこと。

みなさん、こんにちは。コラム「ママのはじめて」も6回目になりました。

さて、いつの頃だったか私の携帯の着信に「ママ(=私の母)」と出たのを見て、まだだいぶ小さかった息子が、「え、ママ? (ぼくの)ママなの?」なんて不思議がったなんてことがありました(笑)。

今ではもう当たり前になりましたが、母から電話がかかってくれば私は「あ、ママ?」と尋ね、息子たちには「はい、おばあちゃんから電話よ」と取り次ぎます。

でも、長男が生まれママになった私にとって、自分たちの両親もまたはじめて「おじいちゃん・おばあちゃん」になる。それも「ママのはじめて」だな、なんてふと思い、今日はそんなおじいちゃんおばあちゃんになった両親にまつわる話をしたい、と思います。

赤ちゃん時代の私と母、そして祖父。赤ちゃん時代の私と母、そして祖父。

赤ちゃんが生まれると「わー、ママにそっくりね!」とか「鼻はパパに似ているかな?」なんて言われることが皆さんよくあるんじゃないかな、と思います。

赤ちゃんが成長するにつれ、寝室で同じ向きに、同じような仕草で寝ている夫と赤ちゃんを見て、「親子だなー!」と実感したり、言葉を話すようになり、ちらほら個性が見えてきたりすると、なおさら親子の遺伝子を実感したりする毎日。

赤ちゃんが生まれてから発見する、親子のそんな小さな「似ている・似てない」は、日々の暮らしの中だけでなく、自分たちの子ども時代の家族アルバムの中や、両親との会話の中にもたくさん発見して、それは子どもが小学生になった今でも続いています(逆に、大きくなればなるほどより感じるのかしら)。

そんな時思うのは、「自分もこんな風にして育ったんだなぁ」ということ。

自分が赤ちゃんを育てながら、まるで自分の赤ちゃん時代を同時に垣間見るような感じがすることがあるのです。

そして私の両親が、「はじめてママ」「はじめてパパ」だった時はどんなだったのかな?なんて。

最初の写真と同じように並んで撮った写真。最初の写真と同じように並んで撮った写真。長男と私、私の父。

「似ている」といえば、母とのやりとりで印象的だった会話がありました。

やっとヨチヨチ歩けるようになった息子と散歩していたある日のこと。大人の足なら10分もかからない道のり。でも息子との散歩は30分も40分もかかります。葉っぱを見つけては拾い、石ころを見つけては眺め、ちょっと段差があれば登ってみて、歩き疲れたら歩道の真ん中に座り込んだり。

ある日、そんな散歩にたまたま母が一緒だったのです。いつもながら寄り道だらけの息子。「目的地にはいつ着くかな?」「帰りはベビーカーかな?」

私の頭の中をいろいろな思いが駆け巡ります。ゆっくりした歩みだったからこそ、感じたり見えたりしたものがあったのは今になってとても感じるけれど、当時は、時には「久々に自転車で疾走したい気分!」なんて日もありました(笑)。

そんな時、息子が歩いているのを見て母が笑いながら言いました。「ほんとーに、小さい頃のあなたとおんなじね!!」

それははっとする一言でした。「そっかー、そうなんだ」と。

実家に送った手紙や写真実家に送った手紙や写真はこんな風に飾ってくれていました。

新米ママの私にとっては目の前のことでいっぱいだけど、自分も同じように親に見つめられながらこうした毎日を送ってきたんだな、と実感した瞬間でもありました。

その後もこんな感じ。

離乳食を全然食べない話をすれば、「あなたも一生懸命作ったのをべーって出したわよ!」いろんなもの手当たり次第ひっぱりだすんだよね、最近。と話せば、大爆笑して「あなたも散々やったわね!懐かしい!」と。

自分もそうだったと言われれば、育児で迷うような時にも「これで大丈夫なのかも」と思えたりする、おばあちゃんになった母からの言葉。

自分にとっては「母」や「父」だった親が、生まれてくる子どもにとっては「祖母」「祖父」になる。当たり前のことだけど、そんな関係性の変化のおかげで、たびたび自分の赤ちゃん時代をこうして(よりリアルに)両親から聞くチャンスに出会えたし、同時におじいちゃんおばあちゃんになった両親を見ながら、自分の祖母や祖父のことを思い出したりできました。

スヤスヤお昼寝。夫の実家に帰省中の1枚。スヤスヤお昼寝。

そういえば、みんな孫ができたらなんて呼ばれているのでしょう? 私は祖母を「おばあちゃん」「浅草のおばあちゃん」(この地名付き、よくありそう)。母は、私の妊娠中に、「おばあちゃんって呼ばれるのはなんだかピンとこないし、なんて呼ばれるのかしら?」と言っていたけれど、息子が生まれる前に「くー(名前から取って)」と呼ばせることに決まりました。(義理の母は「ばぁば」。そして祖父たちも同様に)。「うちはグランマって呼んでるよ!」なんて友人宅もあったな。

それにしても、噂には聞いていたけれど、孫にはなんと甘く寛大なんでしょう(笑)。でもこのおじいちゃんおばちゃんの、居心地の良い、徹底的に甘い居場所というのが、子どもにとっても大切なんだろうな、と思います。母親になって、自分の母とする「母トーク」。これからもいろいろな話ができたらいいな、と思います。

長塚奈央

PROFILE

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フォトグラファー。書籍・雑誌を中心に、料理や雑貨などの撮影を手がける他、写真の講師もつとめる。著書に『上海口福案内』(六耀社)、参加書籍に『ママ&パパのためのスクラップホリックの本』『こどもといっしょに食パン料理の本』などがある。

(制作 * エチカ)

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