先輩パパとママの毎日コラムvol.149

なんとなくおかあさん「赤ちゃんと猫の不思議な関係 ~前編~」

2018/4/25
なんとなくおかあさん「赤ちゃんと猫の不思議な関係 ... なんとなくおかあさん「赤ちゃんと猫の不思議な関係 ...

2人の子どものママでもあるライター・小宮山さくらさんによる等身大の子育てコラム。

わたしは生まれたときからたくさんの猫と暮らしていて、家に猫がいるのがあたりまえの環境で育ちました。 自分の人生で猫がいなかったのは、結婚前の数年間くらい。夫も猫好き、うちの両親も猫好き。夫を紹介した際も「猫が好きな人なら安心だ」と判断するくらいの父親です。そんなわけで、結婚生活に猫は必須!新居に越すと同時に里親サイトをクリックしまくり、いろんな御縁があって一匹の猫を引き取ることになりました。夢にまで見た猫とのすばらしい暮らしにひたるうちに、すぐに妊娠、そして出産となりました。

猫と一緒の妊娠生活は、とても心強かった。つわりで苦しんでいるとき、いつも猫がそっと寄り添ってくれました。ひとりだったら乗り越えられたかどうかわからないくらい、精神的に頼りになりました。

さて、2ヵ月の里帰り出産を経て、いよいよ帰宅。我が家にて、初めて猫と赤ちゃんとのご対面です。うちの猫は比較的穏やかな性格なのですが、赤ちゃんという新しい家族をどんなふうに受け入れてくれるか、やっぱり心配でした。

サイトで検索してみると、出会うなり猫が赤ちゃんの頭に爪を立てたとか、ミルクのにおいがするから口を噛んでしまったとか、都市伝説のようなエピソードも出てきて少しドキドキ。そんなときネットで見つけたのが、産院から帰って猫に初めて赤ちゃんを会わせるときのお作法。それは「いきなり飼い主と赤ちゃんがべったりくっついた姿を見せるとショックを受けるので、まずは自分ひとりだけで入って猫に挨拶をし、次に赤ちゃんを連れてきて猫に見せる」というものでした。「よし、これだ!」と即実行。今思い返すと、まったく意味がなかったような気もするのですが、なにはともあれ、こういうふうにして娘と猫は初めて出会いました。

娘をソファに寝かせてみると、猫はおそるおそる娘のにおいをかいでから、ちょこんと横にねころがりました。その一瞬で心が通じ合ったとしか思えないほど、その日から、猫は娘にべったり!朝から晩まで片時も離れない、ふたりの不思議な関係が始まりました。

もちろん、寝るときもいっしょ。娘がアレルギーかどうかもまだ分からないし、ベビーベッドに入れるのはどうかな?と思ったのですが、観察する限りは問題がなさそうなので、自然にまかせることにしました。もちろんずっと目の届く範囲で見守っていたのですが、猫が赤ちゃんの上に乗ってしまうとか、顔をふさいでしまうということは一度もなく、猫と暮らすことでのストレスはほぼゼロ。あたりまえのようにすくすくと猫好きの子に育っていきました。

眠る赤ちゃんに寄り添う猫

わたしが赤ちゃんと猫との暮らしで気をつけていたのは、かわいがるのはよいけれど、決して不潔にならないようにすること。それから、世の中には猫アレルギーの人はもちろん、猫が苦手な人もたくさんいるのだという当たり前のことを忘れないようにすることでした。

猫アレルギーのお友だちが来たときに隔離しておける部屋をつくっておく、猫の爪はこまめに切る、猫の毛が散らないようにこまめに掃除機をかける、布団はコロコロする。保育園のお友達に猫アレルギーの子がいるかもしれないので、登園するときは服に猫の毛がついていないか特に気をつけてコロコロするようにしました。それから、食卓の上などに乗ることは絶対禁止。人と猫の食事は完全に分けていました。大切にするけれど、猫は猫、人は人、という線引きをしっかりとした暮らし方を心がけました。

ご飯時

また、動けない赤ちゃんのときはともかく、娘がはいはいを始めたころからは、「しっぽを引っ張ったらだめだよ」「つかんだりつねったりしたら痛いよ」と、猫の扱い方を丁寧に口で伝えるようにしました。でも、不思議と一度も乱暴に扱うことはありませんでしたし、猫も赤ちゃんを引っ掻いたり噛み付いたりといったことは決してしませんでした。わたしたち大人に対しては、興奮したときにガブリと噛んだりしていたのに……。

後編へつづく。

小宮山さくら

PROFILE

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ライター。クリエイターへの取材やインタビューを中心に、『カメラ日和』『tocotoco』(第一プログレス)などの雑誌、書籍、広告などで活動。参加書籍に『無名の頃』(パイインターナショナル)、『脇阪克二のデザイン』(PIEBOOKS)、『エジプト塩の本』(美術出版社)、『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』(小学館)など。目下、2児の子育て中。

(制作 * エチカ)

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