米谷明子 yoneya akiko

たまひよディレクター米谷が出会ったモノ・コト・ヒト。

vol.3

パンダ愛は、家族愛。パンダウォッチャー高氏貴博さんの変わらない365日

大人(親)になっても、好きなものを好きでいるって、いいと思いませんか?プレママや育児中のママにとってバイブル的雑誌の『たまごクラブ』、『ひよこクラブ』。その両誌のディレクターを務める米谷明子が、今のママ&パパが興味あるモノやコト、ヒトに会いに行く連載。雑誌では紹介しきれなかった気になるママやパパに、あれこれ質問をします!

パンダ愛は、家族愛。パンダウォッチャー高氏貴博さん... パンダ愛は、家族愛。パンダウォッチャー高氏貴博さん...

米谷明子 Yoneya Akiko  『たまごクラブ』『ひよこクラブ』 雑誌ディレクター『妊活たまごクラブ』編集長 米谷明子 Yoneya Akiko
『たまごクラブ』『ひよこクラブ』雑誌ディレクター、『妊活たまごクラブ』編集長


マタニティ雑誌、ベビー雑誌の編集を長年やってきた、エディター・ディレクターの米谷明子です。この連載では私自身がセレクトした、子育て中にちょっとおしゃれでカッコよくて、魅力的なヒトをご紹介していきます。

『毎日パンダ』というブログをご存知ですか?今回のゲストは、パンダウォッチャーの高氏貴博さん。2011年以来、365日、欠かさず上野動物園に通いパンダを撮影してブログを更新する、一般の方ながら数々の著書も出しているパンダ界(?)では有名な方です。その高氏さんが、過去に1日パンダウォッチングを休んだ日がある、しかもそれは実の子の立ち合い出産をするため?と聞き、いてもたってもいられず、高氏さんに会いに行ってきました。

【高氏貴博さんとは?】2011年に偶然見た上野動物園のパンダに一目惚れし、以来上野動物園のパンダの追っかけを開始。休園日も毎日上野動物園に通い、その模様を紹介しているブログ『毎日パンダ』が人気を博す。パンダの著書多数。2018年8月に第1子となる娘さんが誕生。本業は都内企業に勤務するウェブデザイナー。

<YONE’s QUESTION>

9年間1日も欠かさずパンダの追っかけをしている男性が、唯一自分の子が誕生する日だけパンダ通いをお休みした。そこにはどんな葛藤があったのでしょうか?パンダの子育てをウォッチしながら、自分の子はどう育てているのかな?

■シンシンの可愛いお尻に一目惚れして、毎日上野動物園に通うように

米谷
私もパンダが大好きで、高氏さんには一度お会いしたかったんです。パンダ界で、その名を知らない人はいない高氏さん。パンダを好きになったきっかけを教えてください。

高氏
2011年の夏、仕事の合間に時間ができて「パンダでも見ようかな」と、軽い気持ちで上野動物園に立ち寄ったんです。デーンと座っている、もふもふしたシンシン(上野動物園のお母さんパンダ)を見て「なんてユニークなんだ!」と一目惚れしました。初日に年間パスポートを買い、翌日も通勤途中に寄って、を続けるうちに1カ月、半年、1年と積み重なって今に至ります。

高氏さんが運営するブログ『毎日パンダ』。 高氏さんが運営するブログ『毎日パンダ』。

米谷
シンシンのどこに惹かれたんですか?

高氏
お尻のインパクトです。桃のようなまるっとしたフォルムがとっても可愛くて。パンダは正面が好きな方が多いですが、僕は断然お尻派です。上野動物園のパンダは、2011年以前も何度か見ているはずなのに記憶もなくて。あの時、あのお尻がよかったから、ここまでハマったんでしょうね。

「大きなお尻をデーンと向けて寝ているシンシンが可愛いですね」と高氏さん。2016年8月6日高氏さん撮影。 「大きなお尻をデーンと向けて寝ているシンシンが可愛いですね」と高氏さん。2016年8月6日高氏さん撮影。

米谷
毎日通う上野動物園では、どのようにすごされているのか知りたいです。

高氏
だいたい9時半の開園と同時にパンダ舎に行き、行列に並んで見ます。ただ立ち止まって見ることはできないので、連写しっぱなし。人が多い時は報道カメラマンのように、カメラを頭上に掲げて撮影することもあります。撮影が終わったら会社に出勤します。

撮影中の高氏さん。パンダ舎のガラスへの映り込みを極力減らすため、身に着けるものは黒が基本だそう。 撮影中の高氏さん。パンダ舎のガラスへの映り込みを極力減らすため、身に着けるものは黒が基本だそう。

米谷
それだけ連写したら、撮影した点数も相当なものでしょう?

高氏
1日あたり1000~2000枚はあるので、選ぶだけでも大変です。でも連写といえども、ちょっとした顔の角度や目の開き具合で表情が全然違うんですよ。その中でキラッと輝く1枚があればいいなと思います。

「お乳がほしいシャンシャン(右)と、おやつがほしいシンシン(左)です」と高氏さん。毎日通っているからこそ撮影できた母子ツーショット! 2018年8月8日高氏さん撮影。 「お乳がほしいシャンシャン(右)と、おやつがほしいシンシン(左)です」と高氏さん。毎日通っているからこそ撮影できた母子ツーショット! 2018年8月8日高氏さん撮影。

米谷
高氏さんの言う「キラッと輝く1枚」とはどのようなものですか?

高氏
ばっちり目線をくれているものと、目線は外しているけど愛らしい横顔。あとはお尻が可愛いく撮れたものですね。会社から帰宅する電車の中で写真のセレクトを始めますが、選ぶだけで1時間くらいはかかります。一つひとつの微妙な違いもしっかり見ているので、時間はかかってしまいます。でもそれが楽しいんですよね。その後自宅でブログをアップするのは、夜23時くらいですね。

パンダグッズに囲まれた自室で、ブログのアップ作業をする高氏さん。 パンダグッズに囲まれた自室で、ブログのアップ作業をする高氏さん。

■パンダウォッチは会社、妻、そして娘公認のライフワーク

米谷
『毎日パンダ』を始める前の2008年にご結婚されています。2011年に急激にパンダにのめり込んだ時、奥様の反応はいかがでしたか?

高氏
この活動は妻と会社の理解があってこそで、どちらにも今も頭が上がりません。当初は妻も会社も「そのうち飽きるだろう。好きにやれば」って同じような反応でしたが、止める気配がないので応援してくれるようになりました。僕、小学生の頃から30年以上、蓄音機で聞く昔のレコードを集めていて。だから僕の性格上、パンダも一生の趣味になるはずで、僕の性質をよく知っているから、みんなが大目に見てくれているのかもしれません。

カードケースもパンダモチーフ!徹底しています。 カードケースもパンダモチーフ!徹底しています。

米谷
高氏さんの活動を続けるには周囲の協力も必要ですよね。奥様や職場の協力を得るためにどのようなことをしていますか?

高氏
基本ではありますが、職場では仕事の納期は絶対に守ります。パンダウォッチングを始めてから、仕事をより頑張るようになりました。そして、妻もいたわっているつもりですが、どう思われているかは……(笑)家にいる間はできるだけ子どもと接し、育児はけっこう頑張っていると思っています。

■妻の出産当日も上野動物園に行こうか、悩みました

米谷
2018年に高氏家にはお子さんが生まれました。その前年には、上野動物園に赤ちゃんパンダ(シャンシャン)が誕生しています。

高氏
そうですね、2017年6月にシャンシャンが誕生して、その翌年の2018年8月に、うちにも赤ちゃんが誕生しました。シンシンの妊娠期を毎日見ていて、そのあと自分の奥さんの妊娠を迎えるという、なんとも奇跡的な流れでした。妻は実家の静岡県の病院に入院していて、夜中に「そろそろ生まれそう」って連絡が来てから始発で向かって、出産に立ち会いました。

笹を食べるシャンシャン。表情や毛の流れまでしっかりわかります。2019年2月14日高氏さん撮影。 笹を食べるシャンシャン。表情や毛の流れまでしっかりわかります。2019年2月14日高氏さん撮影。

米谷
出産当日、まさかですが、上野動物園に寄ろうとは思わなかったですよね?

高氏
それ、すごく考えたんですよ(笑)。パンダ舎には行けないまでも、動物園の外観だけでも撮ろうかなとか。でも確実に怒られると思って、初めてブログを休みました。ブログはいつか休まなきゃいけない日が来る。それならおめでたいことで休みたかったので、最初に休んだのが我が子の出産の日でよかったです。シャンシャンが誕生したときもうれしかったけど、自分の子が誕生した瞬間は、やはりとても感激しました。

米谷
出産に立ち会うため、初めてブログを休んだことに対して、奥様はなんとおっしゃっていましたか?

毎日のパンダウォッチをできるだけ休みたくないと話す高氏さん。 毎日のパンダウォッチをできるだけ休みたくないと話す高氏さん。

高氏
「当然だよねー」みたいな感じでした(笑)。その日は静岡に泊まり、翌日はいつもどおり上野動物園にパンダを見に行きました。

■パンダは自分の家族。我が子の誕生は子どもが増えた感じ

米谷
ご自身のお子さんとシャンシャンで重なる部分はありましたか?

高氏
それは重なりました。パンダ好きはパンダを家族のような気持ちで見ている人が多いと思うんです。僕は、子どもが生まれる前まで、上野動物園のパンダを自分の子のような感覚で見ていました。だから、我が子が生まれたら、もう一人子どもが増えた感じです。あっ、でも今は、リーリー(上野動物園のお父さんパンダ)もシンシンも僕も親なので、子どもというより、親同士という感覚に近いかもしれません。

高氏さんの自室にはパンダグッズをはじめ、レコード関係のアイテムがギッシリ。白いボックスの中にもパンダグッズが収められているそう。 高氏さんの自室にはパンダグッズをはじめ、レコード関係のアイテムがギッシリ。白いボックスの中にもパンダグッズが収められているそう。

米谷
上野のパンダも、パパとママと娘の3人家族。高氏家も娘と3人家族。一緒ですね!パンダのお父さんは育児に参加しないそうですが、高氏パパはいかがですか?

高氏
そこをマネしたらまずいですよ~(笑)ブログを初めてお休みしたのは出産の日でしたが、実はそのあともたびたびお休みするようになりました。今は、病院に行く日など、実は妻と子のために「休パン日」も設けているんです。直近の休パン日には、妻が産後あまり美容室に行けていないので行ってもらおうと思っています。それと子どもが生まれるまでは連日夜遅くまで会社にいたのですが、今は子どもに会いたいので、子どものお風呂の時間までには毎日帰るようになりました。20時過ぎには寝かしつけるため、いったん3人で就寝。そのあとにこっそり1人起きてブログを書いていますが…(笑)。寝かしつけには、パンダぬいぐるみ(大)であやしています。

米谷
お子様が生まれてから、生活のスケジュールがお子様中心になったのですね!パンダと自分のお子様で、高氏パパの毎日は忙しそうだけど、充実しています。

もともと柔らかな物腰の高氏さんですが、娘さんを抱っこするとさらに笑顔がとろけていました。 もともと柔らかな物腰の高氏さんですが、娘さんを抱っこするとさらに笑顔がとろけていました。

■200=ZOO!奥様の後押しで、家族3人のパンダデビュー

米谷
お子さんには、もうパンダを見せましたか?

高氏
2019年3月24日。生後6か月のときに家族で上野動物園に行きました。ひところに比べたら少し落ち着いたとはいえ、まだパンダ舎は行列していますし、今見せても記憶にないだろうから、3歳くらいになってから連れて行こうと考えていたんです。そしたら妻が3月24日の朝に「今日は子どもが生まれて200日目だよ。200=ZOOだよ」ってひらめいちゃって。それで急に連れて行くことになりました。

生後200日にしてパンダデビューした娘さん。 生後200日にしてパンダデビューした娘さん。

米谷
素敵なお話ですね~!奥様もお嬢さんにパンダを会わせたかったのかな?

高氏
まだパンダのことはわからないはずなんですけど、じっと見て反応はしていました。このぬいぐるみも娘が売店でつかんで離さなかったんです。一番大きいぬいぐるみをつかんじゃったので、結構金額しましたけど(笑)。とにかくパンダに反応してくれたのはうれしかったですね。

高氏さんの数あるパンダコレクションの中でも一番のお気に入り親子パンダを抱っこさせてもらいました。(左端) 高氏さんの数あるパンダコレクションの中でも一番のお気に入り親子パンダを抱っこさせてもらいました。(左端)

米谷
自分の好きなものは、将来、娘さんにも好きになってもらいたいですか?

高氏
やはり、そうですね。自分の好きなものを娘も好きになってくれたらそれは本望です。無理強いさせてはいけないのですが…実は、パンダの写真をたくさん見せて刷り込みしています。娘が話す初めての言葉は「パンダ」にしたいので、娘の耳元で囁いています。でも僕が「パンダ」って言うと、妻には「止めなさい」って叱られますが(笑)。

米谷
高氏さん!!最初に「パンダ」と話すのは厳しいかも~(笑)

<YONE’s NOTE>

奥さんに「ちょっと悪いなぁ」と思いながらも、毎日のパンダウォッチングがやめられない高氏さん。夫の趣味を超えたライフワークに「しょうがないですねぇ」と言いながら、200日を「ZOO」とひらめいてしまう奥様。毎日かわいいかわいいと、育てられている娘さん。取材中、ずっとニコニコ笑顔でパパを見ていた奥様と娘さんが、リーリーを見つめるシンシンとシャンシャンの姿に重なって見えました。

※取材裏話
パンダウォッチャーをしていて困ることは何ですか?と聞いたところ、「人間との会話中、例えば、男性・女性という言葉を『オス・メス』など、つい動物目線で言ってしまうことですね」だそうです。高氏さんの好きなものをウォッチする習性は、ホンモノです。

撮影/柳原久子(water fish)取材協力/津島千佳

米谷明子 yoneya akiko

PROFILE

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たまひよ雑誌ディレクター
出版社に新卒入社後、妊娠・育児雑誌の編集部に配属。結婚を機に退職し、一児の出産を経て雑誌編集に復帰。同じく妊娠・出産系の出版社勤務を経て、株式会社ベネッセコーポレーションへ。たまひよ事業部で『たまごクラブ』『ひよこクラブ』ディレクター、『妊活たまごクラブ』編集長を務めている。妊娠・育児雑誌を担当して20年以上経つが「ベテラン」と言われるのが嫌。子育て期のママ・パパの近いところにいつも居たいがモットー。
https://st.benesse.ne.jp/

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