先輩パパとママの毎日コラムvol.363

オガワナホのいろいろ子そだて記「子どもと絵本」

2020/9/23
オガワナホのいろいろ子そだて記「子どもと絵本」 オガワナホのいろいろ子そだて記「子どもと絵本」

プロのイラストレーターで絵本作家のオガワナホさんがお子さんと親しんだ絵本とは?

子どもはいつから絵を意識するのでしょうね。職業柄、とても興味深い疑問だったので絵本はかなり小さいときから見せていました。

我が家の場合は生後3ヵ月くらいに最初に反応がありました。凹凸のある絵本のページを触ると、真剣な顔でページを見つめ「じゃあじゃあ」といった擬音語が登場する絵本や、動物がたくさん出てくる絵本では手足をバタバタさせて反応するように。どちらの絵本も犬ではなく猫のページで大興奮。実際の猫はまだ見たことがなかったので不思議でした。こんな小さくても絵を見て反応する様子にとても感動し、わたしの絵本制作意欲も復活(日々の暮らしに追われ、まだ形にはできていませんが)。

お気に入りの動物のたくさん出てくる絵本では、画面いっぱいの大きな絵やあかるい色に反応するようです。一番好きな猫のページは大きな目と藤色の体が印象的。そういえば、2才をすぎた今も好きな色は「むらさきー!」って言うのだけど、もっと小さい頃に読んでいた絵本の影響があるのかもしれません。

絵本を読む子ども1

生後6ヵ月頃に読んでいたのは、短い単語だけが書いてある絵本。シンプルな言葉のリズムとダイナミックな絵に惹かれているようでした。何冊か目の前に置き「どれよむ?」と聞くと、読みたい本へはいはいして選んでいました!コミュニケーションがとれること、読みたい本があることにびっくりして感動した記憶があります。

凹凸のある絵本を触って面白がっていたので、他にも触って楽しめる絵本を追加で購入。ページがザラザラしていたりフサフサしたり、キラキラのページがあったりと視覚だけでなく触感が面白いらしく、真剣な面持ちで指をガリガリと動かして感触を楽しんでいました。なかにはわたしが子どもの頃、父が海外出張のおみやげに買ってきてくれた思い出深い本もあり、今見ると絵は決してうまくはないのですが、自分が好きだった本をこうしてまた子どもと読めるのは嬉しいものです。

絵本を読む子ども2

もう少し物語性のある絵本に興味をもちはじめたのは1才後半頃でしょうか。ページ数が多めの本も好きになりました。まだ長すぎる文章には飽きてしまうので、その日の集中力を見極めてところどころ省略して読んでいます。

わたしが7年前に出版した絵本「ミミのみずたまスカート」と「ナナのまほうのむしめがね」も「ママのほん、よみたいー」と選んでくれることがあり嬉しさと、もじもじと恥ずかしさが入り混じるなんとも言えない気持ちで読み聞かせしています。

お気に入りの絵本と、同じシチュエーションになると思い出すようで、この間はおふろの前に自分でシャツを脱ごうとして絵本の主人公とおなじ状態になり「ぬげないー」「えほんとおんなじー」と言っていました。日々のなにげないことで、絵本の1シーンを思い出してくれたことにえらく感動しました。

絵本のおはなしの中の言葉をよく拾い、自分でも反芻してみたり、絵の中の登場人物を「これ〇〇、これはXX」と保育園の先生やクラスメイトをあてはめて、話を進めていくこともありおどろきます。「これはなにいろ?」「これはなあに?」とページ中のちょっとした部分を探しながらの会話も面白いです。「ほら、ここみて!」とわたしが気づいていない部分を教えてもらうこともあり、子どもの観察力の高さにびっくり。読み聞かせが子どもの成長に大切と言われるのがわかる気がします。

そして「これよむ!」とお気に入りを持ってきてちょこんと膝の上にのってくるときの、愛おしいこと。親のわたしにも大切な時間になっています。

月齢によって好みが変わってきたり、言葉を発するようになってあかちゃん絵本を自分で声に出して読んでいて成長を感じたり、いろんな楽しみ方がありますね。

それにしても世の中にある絵本は本当によくできている!毎日読み聞かせをして、日々勉強になります。そして、そろそろわたしもがんばろう、と思うのでした。

オガワナホ

PROFILE

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日本、アメリカ、台湾、香港など国内外で活躍中のイラストレーター。書籍や雑誌、文具などのグッズのほか絵本も手掛ける。ご主人・娘さん・愛犬と4人でのんびり東京暮らし。
www.naho.com

(制作 * エチカ)

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