先輩パパとママの毎日コラムvol.331

愛するプニプニ「もうすぐ産まれる〜前駆陣痛編〜」

2020/5/27
愛するプニプニ「もうすぐ産まれる〜前駆陣痛編〜」 愛するプニプニ「もうすぐ産まれる〜前駆陣痛編〜」

イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。100人いれば妊娠・出産は100通りというけれど、まさにその通り。ママ友の誰に聞いても同じ人は誰もいない。陣痛ってどのくらい痛いの?いきむって何?産院でどんなに丁寧な説明を聞いても、実際体験しないとわからない。そして、予定日が近づいてきたある日の夜。痛いかも…?これだ!タクシーでいざ病院へ!

いよいよ、臨月に入った。ついに!我が子に会える日が、間もなくやってくる。9ヵ月前は、まだ存在しなかった命。ずっしりとした重みをもって、この腕の中にやってくる。身体中のかゆみや不眠、近いトイレ。どれも不快な症状だけど、おなかの可愛い赤ちゃんのためなら、苦ではなかった(今、思うと辛かったけど)。早く会いたい、いつでも出ておいで〜、と声をかけていたが、なかなか出てこない。胎動はどんどん激しくなるばかりで、本当に元気な子だなぁ、と残り少ない妊婦生活にしみじみした。隣にいた夫は、ちゃんと正産期に出てきてね…と声をかけていた。

安産のために、できることは全部した

先輩ママ友に出産の痛みってどういうもの?と聞いたが、「そんなに痛くなかったよ!大丈夫!」と言っていた。そうなのかな〜まぁみんな乗り越えることだし…と納得した。安産のために、健診の際は病院まで往復6km歩き、マタニティアクア、スクワット、床拭き、ジンクス定番の焼肉・栄養ドリンクも摂取した。できることは全部したし、ここまでの妊娠生活も問題はなかった。きっとスポン!と産めるだろう、と思っていた。そう、本当に思っていた…。

夫とタクシーに乗り病院に向かう

出産予定日9日前の夕方。少しおなかが痛いかも?と思い、痛みの間隔を計ってみる。少しずつ間隔が狭まっている気がする…来たか!!!と思い、夫とタクシーに乗り病院に向かう。あぁついに産まれるのね。日が暮れていく街を窓から眺め、夫と二人きりで乗るタクシーもしばらくないだろうな、と新婚気分にさよならをする。私の通っていた病院は、妊婦健診と産科は別のフロアだったので、その日初めて産科に入った。廊下にまで響く新生児の泣き声。ソファにはお見舞いに来ているお父さんと5才くらいの女の子がいた。あぁついに…ドキドキしながら診察台へ。

「まだまだですね〜」え?子宮口がまったく開いていない模様。どうやら陣痛ではないと言われ、気が抜けた。じゃあこの痛みは何なのか。まぁ我慢できる痛みではあるが。その日は、再び夫と二人でタクシーに乗り帰宅した。

おなかの子はまだ出てこない模様

次の日、母が心配して、すごくいいお肉を持ってお見舞いに来てくれた。母と二人で昼食を食べ、ケーキも食べた。夫が会社から帰宅するギリギリ前まで、そばにいてくれた。できれば母がいるときに陣痛が来て欲しかったのだが、そう上手くいかない。

そして土日が来た。できればこの土日に出て来てくれないかしら、と思ったが、痛みも弱まり、まったく気配がない。夫と近所を散歩し、ゆっくり過ごした。「大きいおなかね〜もうすぐ?」「はい、1週間後が予定日なんです」なんて臨月手本のような会話を近所のマダムとした。

出産予定日5日前、やはりおなかが痛い。今日は母と父がやって来た。立ち会い出産は夫だけの予定だったが、もし父母がいるときであれば、病院について来てもらい、産みたてほやほやの我が子を抱いてもらいたい。だから、今日の日中に産めれば!と思い、床拭きやら、スクワットやらいろいろやってみるが、一向に痛みは強くならない。産みたいプレッシャーばかり大きくなり、その日、父母は実家に帰った。しかし、夫が夕方に帰ってきて、痛みが増してきた。そして再びタクシーにて病院に向かう。「まだまだですね〜」二度もやってしまった…恥ずかしさと、家族に心配をかけてる感じ、毎回ついて来てくれる夫への申し訳なさ。でも本当に痛いしなぁ…。

毎回ついて来てくれる夫への申し訳なさ

そのまた次の日。今日もおなかが痛い。今日こそ産まれる気がする!冷蔵庫整理しなきゃ!と思い、昼食に母が先日持ってきてくれたいいお肉を一人で焼いて食べる。ものすごく美味しかった。自分の中で過去史上最高の焼き方をできた。その日、夫は京都出張。夕方、急いで帰って来てくれた。「痛たた」「産まれる?産まれる?」なんて会話をしながら、二人で夕食の味噌煮込みうどん鍋を笑いながら、つついていた。その後、やはり痛みが強く、間隔が短くなったので、再び病院へ。そして、三度目の「まだまだですね〜」を言われてしまう。申し訳ないったらありゃしない。

あぁおなか痛い

妊婦助成券、使い切っちゃったなぁ…明後日の健診は実費だなぁ…冷蔵庫の中、からっぽだよ…と落ち込みながら、タクシーで帰宅。あぁおなか痛い、痛い、痛い。痛いよぉ。痛みはどんどん大きくなる。ついに、その晩から本物の陣痛がやってくるのである。

次回・本陣痛編に続く

かみやかやこ

PROFILE

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多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。デザイナーを経て、イラストレーターとして独立。2018年に女の子、2021年に男の子を出産。愛情たっぷり注ぎながら、子育てを楽しんでいる。好きなものは、海、コーヒー、いい香り、植物、ドラマ、美容情報、美味しい食べ物、アイドル。
http://kamiyakayako.com/
https://www.instagram.com/kamiyakayako/

(制作 * エチカ)

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