子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.139

【助産師が解説】産前から産後の生活をシミュレーションしよう!産後すぐの産褥期に向けた準備は何が必要?

2022/9/2
【助産師が解説】産前から産後の生活をシミュレーショ... 【助産師が解説】産前から産後の生活をシミュレーショ...

出産直後のママは、産褥期(さんじょくき)という期間に突入します。産褥期にどう過ごすかによって、その後のママの体調が左右されることも。産褥期とは何か、ママの体を回復させるために必要なことについて、助産師の榎本美紀さんに教えてもらいました。

産褥期とは?

産褥期とは出産後、約6~8週間目までのことを言い、妊娠・出産で大きく変化した体の状態が徐々に元の状態に戻っていく時期です。産褥期は基本的に運動だけでなく、家事などもできるだけ控え、安静に過ごすことが必要だと言われています。ここで無理をしてしまうと、産後の回復が遅れるだけでなく、場合によっては尿もれが起こる、子宮脱(子宮が膣内に下がってきてしまうこと)になることもあるからです。産後の子宮は胎盤が剥がれて大きな傷を負っているのと同じことで、妊娠・出産を経た体は思った以上に傷付いています。できるだけ安静に過ごすように心がけたいですね。

とはいえ、産後は赤ちゃんのお世話が待っています。パパや家族にサポートをしてもらいながら、安静と活動のバランスを考えて無理せずに過ごし、徐々に元の生活に戻していきましょう。

産褥期は忙しい!

赤ちゃん、ママ、パパが寝転んでいる様子

出産後すぐに始まる赤ちゃんのお世話。とくに新生児期は、2~3時間ごとの授乳や、1日10回以上のおむつ替え、慣れない沐浴や寝かしつけ、ぐずっている赤ちゃんをあやすなど、あっという間に時間が過ぎてしまいます。自分のことはどうしても後回しになってしまうため、ママの体には以下のような症状が起こることもあります。

・睡眠不足になる
・トイレのタイミングを逃して、膀胱炎や便秘になる
・骨盤が緩んでいるため、腰痛や恥骨痛に悩まされる
・会陰切開や帝王切開の傷が痛む
・抱っこや授乳で、腰痛になったり、手首の関節が痛くなったりする

授乳、赤ちゃんのお世話以外の時間は、ママはできるだけ横になって過ごすようにすることが大切です。合間で睡眠をとれるとなおよいですね。こまめに水分を摂り、トイレに行くことも意識します。緩んだ骨盤を元に戻すために、骨盤ベルトは効果があると言われています。特に腰痛や恥骨痛がある人は、試してみてもいいでしょう。手首が弱い人は、関節の痛み予防のため、サポーターをするのもおすすめです。

産前からできるモノの準備

妊娠中に夫婦で準備品などの相談をしている様子

産褥期を乗り切るために産前に準備しておきたいモノを紹介します。

・抱き枕などのクッション類

腰痛や恥骨痛がある場合、抱き枕を使って寝ると痛みがラクになることがあります。妊娠中から使っているモノでもOKです。

・骨盤ベルト

緩んだ骨盤の戻りをサポートし、安定させるために使います。着用しやすく、肌あたりのやさしい素材で、着けたまま横になっても違和感なく使えるものを選びましょう。正しく着用できているか、入院中に助産師さんにチェックしてもらいましょう。

・乳頭保護クリームやラノリン

授乳に慣れないうちは、飲み方が浅くなってしまったり、頻回に授乳したりすることで乳首に傷ができやすくなります。クリームなどを傷に塗ることで乳首の皮膚を保護できるので、困ったときにすぐ使えるよう、入院準備グッズに入れて、準備しておくのがおすすめです。

・授乳クッション

赤ちゃんの口元がおっぱいの高さに合わせて、正しい授乳姿勢で飲ませるためにあると便利です。ママの手首の負担も軽減できます。

・冷凍食品やレトルト食品などすぐに食べられるもの

ママの体を回復させ、母乳をしっかり分泌させるためにも、バランスの良い食事をすることが大切です。しかし、毎回作るのはとても大変ですよね。そこで、冷凍食品やレトルト食品など、すぐに食べられるものをストックしておくと便利です。また、ネットスーパーや宅配のお弁当サービスなども調べておくといいでしょう。

・水・お茶・水筒

水やカフェインレスのお茶を多めに用意しておきましょう。産後は冷蔵庫から毎回取り出すのが面倒な場合もあるので、水筒を用意しておくのがおすすめ。母乳育児中のママは特に水分摂取が大切ですが、水筒を置いておくとこまめに水分を補給しやすくなります。またカフェインは母乳を介して赤ちゃんに移行します。1日コーヒー1~2杯程度の量なら問題ないと言われていますが、摂り過ぎにならないように気を付けましょう。

・紙おむつ

同じ新生児用でもサイズが異なるなど、メーカーによって違いがあります。また、すぐにサイズアウトしたり、実際に使ってみないとわからないこともあったりします。はじめは2パック程度など、最低限の量を用意するようにしましょう。

・哺乳びん

母乳分泌が増えてくる時期には個人差があって、産後すぐは、母乳が思うように出ないこともあります。また、乳首が切れるなどのトラブルが起こることも。入院中の赤ちゃんの様子をみながら、搾乳した母乳などで授乳する必要がありそうでしたら、赤ちゃんの退院までに哺乳びんを用意しておくと良いでしょう。退院時に院内の売店で購入する方もいます。哺乳びんにもいろいろなタイプがあるので、出産前に情報収集をしておいて、どのタイプが良いか助産師に相談してみてもいいかと思います。その後は、母乳分泌状況や赤ちゃんの飲み方を見て、必要に応じて買い足しましょう。

・抱っこひも

抱っこひもは、お出かけだけでなく、寝かしつけやぐずったときにあやすときなどにも使えます。置くと泣いてしまう赤ちゃんの場合は新生児から使える抱っこひもがあると便利なことも。抱っこひもだけでなく、スリングやベビーラップなどいろいろな種類があるので、産前にどんなものがあるか調べておいて、産後、必要になったときにすぐに購入できるようにしておきましょう。

産前からできるコトの準備

パパが洗い物をしている様子

産褥期に慌てないために、産前に準備しておきたいコトについて紹介します。パパと一緒にリサーチして、情報を共有しておくことがポイントです。

産後のママと赤ちゃんのケアができる施設や内容を知っておく

産後の様子によっては、産褥入院や母乳外来が必要になるかもしれません。必要になったときにすぐに動けるよう、妊娠中にどんな施設があり、どのようなケアができるのかなどをリサーチしておきましょう。

赤ちゃんのお世話について知っておく

沐浴、おむつ替え、抱っこ、着替えなど、赤ちゃんのお世話にはどのようなものがあり、どうおこなうかを知っておきましょう。産院や自治内などがおこなう両親学級などに参加するのもおすすめです。最近は対面式のほか、オンラインでおこなうところも増えているようです。

パパは家事を一通りできるようにしておく

普段、家事をメインでおこなうのがママの場合、ママの妊娠中からパパも家事が一通りできるようにしておきましょう。とくに産褥期はママの体を回復させるためにも、パパがメインでできるといいですね。役割分担を決める場合は、産後のママや赤ちゃんの状況に応じて臨機応変に調整するのを前提に、ある程度の内容で決めておくのがおすすめです。

産褥期中に必要な手続きを調べておく

産後は出生届、健康保険の加入、児童手当の申請など、必要な手続きがたくさんあります。誰がするのか、いつまでにおこなう必要があるのか、手続きに必要なものは何かなどを調べてすぐに動けるようにしておきましょう。

産後に慌てない為に!産前から知っておきたい各種手続き8選【助産師がアドバイス】

授乳について話しておく

ママが母乳育児で頑張りたい、パパにも授乳をして赤ちゃんとコミュニケーションをとってほしいなど授乳に関して希望や考えなどがある場合、事前にパパに話しておくとスムーズです。

大人の食事などについて調べておく

産褥期の食品や日用品などの買い出しは、パパが担当できるといいですね。宅配やネットスーパーもリサーチしておき、妊娠中に登録しておくのもおすすめです。

実父母・義父母にサポートをお願いするかどうか話し合う

産後に実父母・義父母にサポートをお願いするかどうか話し合っておきましょう。お願いする場合は、どの程度お願いするかも決めておいて。

緊急時の連絡先リストを作成する

赤ちゃんの具合が悪くなったときなどに備え、緊急時の連絡先リストを作成しましょう。近所の小児科や皮膚科、耳鼻科など病院についても調べておくと、いざというときに慌てずにすみます。

まとめ

産褥期は、ママの体はまだつらく、しっかりと回復をさせたい時期です。妊娠中に準備できることはパパと一緒におこない、産後も無理せず過ごしましょう。今はネットなどで必要な物がすぐに購入できますから、上手に利用しましょう。まだ必要かどうかわからないものに関しても、リサーチだけはしておくと安心ですね。

榎本美紀

PROFILE

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2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」

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