先輩パパとママの毎日コラムvol.64

普通で特別な毎日「思いがけないご褒美」

2017/6/1
普通で特別な毎日「思いがけないご褒美」 普通で特別な毎日「思いがけないご褒美」

パパ・早川敏浩さんが写真とともに振り返る、早川家の子育てのこと。

2010年3月1日からちょうど6週間、僕は育児休暇を取った。風雅が2才になる少し前、4月からは保育園に行き始めた時期だ。イクメンなんていう言葉が世間でもてはやされ始めるのはまだこの先。妻が「育休取る男の人って素敵だな」と勧めてくれたのがきっかけだ。

風雅くん 初めのうち、風雅は思い出したように母親を探した。僕と二人は不安だったのだろう。僕も同じだった。週末を除いて、昼間は常に向き合っていなくてはいけない。本当に乗り切れるか心配の方が大きかった。

朝ごはん、洗濯を済ませ、天気が良かったら散歩や買い物。お友達と遊びに行って、帰ったら昼寝。起きたら部屋で本を読み聞かせたり一緒に遊んだり、それから夕食の支度。普段それなりに手伝っているつもりだったけど、風雅の様子を見ながらやるのは難しかった。

何か1つのことに集中するわけにはいかず、何でも中途半端な状態。予定通りにことが進まないのがこんなに精神的に良くないって初めて知った。

うーん、仕方ない。とにかく何でも「面白い」と言うことに決めたら、気持ちが楽になった。風雅にパスタをお茶に浸されてテーブルの上がカオスになっても、おもちゃ箱をひっくり返されて大掃除状態になっても、まずは「面白いことをしているね」と風雅に声を掛けた。こっちの気持ちを知ってか知らずか、僕が「グッジョブ!」と言うとハイタッチしにくるようになった。

お散歩

ちょうど春。植物が一斉に芽吹くように、風雅も色々なことに興味を示し、急に成長し始めた。ゴミ箱にゴミを捨てに行く、眠いから布団を敷いてくれと催促する、数字を指して「にー」とか「にゃにゃ」とか話す。昨日までやらなかったことを、今日急に始めてしまう。「人間ってすごいなー。一晩で成長することもあるのだな」と驚いた。一緒にいて、その瞬間を目撃できたことは本当にラッキーだった。

兄妹

人の優しさというものにも数多く出会えた。抱っこ紐で出かけると、バスの中でおばあちゃんに席を譲られた。「いやいや、僕の方が若いですから座っていてください」と言うと「子育てしとるもんが一番偉いんや、座んなさいな」と涙が出そうな言葉をかけてもらった。急な雨に傘に入れてくれた人もいた。

ボールプール

お母さんと風雅くん 育休も終わり頃、風雅と一緒に昼寝をしていた時のこと。僕が抱っこしているはずなのに、なんだか抱きしめられているみたいな錯覚を覚えた。子どもの少し汗をかいた髪の毛の匂い、少し高めの体温。今も不思議に蘇る。風雅は、一瞬目覚めて僕の顔を確認すると安心したのか、また眠りに落ちた。「僕たち親子なんだな」強く絆を感じたあの瞬間。育児休暇のご褒美だったに違いない。

早川敏浩

PROFILE

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名古屋市在住。編集者。2児のパパ。写真が大好き
https://www.instagram.com/p_haya_p/
http://p-life.petit.cc/

(制作 * エチカ)

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