先輩パパとママの毎日コラムvol.58

キミの瞳が、ボクをパパにする「大きな桜の樹の下で」

2017/3/21
キミの瞳が、ボクをパパにする「大きな桜の樹の下で」 キミの瞳が、ボクをパパにする「大きな桜の樹の下で」

二人の娘のパパである川原和之さんが写真で振り返る、娘の成長と桜の思い出。

僕が住む地域の桜の開花予想が発表された。まだ街吹く風は冷たいけれど、あと1ヵ月もすると満開の桜を見ることができるのかと思うと、まだ目に見えない春の気配に、なんだか不思議な安堵感を感じる。

この感情は日本人なら誰でも抱く想いかもしれないけど、僕にとっては、おそらく長女が生まれた時の記憶がふわっと蘇るからだろう。

長女の誕生日は4月のはじめで、生まれた時、ちょうど桜のつぼみが開き始めた頃だった。娘が生まれた日は春の嵐が吹き荒れていて、桜の花が散ってしまわないか窓の外を見ながら気になったことを覚えている。

僕は長女が生まれてから、妻の反対を押し切って古くて大きなフィルムカメラを購入し、毎年、桜の下で娘の写真を撮っている。草花にあまり関心がない僕だけど、桜だけは特別で、咲き具合を頻繁にインターネットで調べて、いつ、どこに行こうかと計画を立てる。

初めての桜の写真は娘が生まれてからちょうど1才の誕生日を迎えて、よちよち歩きができるようになった頃。なかなかこっちを振り向いてくれないので、何度も大きな声で名前を呼び、カメラ目線を狙う僕の姿に妻は呆れていた。

桜に手を伸ばして

その1年後には、保育園の入園式の帰り道に、近所の桜並木がある公園に寄り道して撮った。

「春が来た」

次の年には、保育園で覚えた童謡「春が来た」を大声で口ずさんでいたっけな。

お花見

昨年は、お弁当を持って、お花見に出かけると、花より団子で、お弁当のおにぎりを美味しそうにほおばる娘の姿。

桜の下で撮る写真は、娘の成長を感じる、嬉しい写真ばかり。でも一方で、アルバムの中の桜の写真を見返すと、ちょっと切ない気持ちにもなる。

桜が咲き誇る時間は短く、あっという間。なんだか、桜に抱く、無条件の嬉しさと少しの切なさは、子どもの成長に似ているなって思う。

子どもが1人で立ちあがり、歩いたときの感動や、「パパ!」とはじめて言ってくれた時の喜びもいつの間にか当たり前になり、慌ただしい日々の中に埋没していく。でも、薄ピンクの花びらが舞う光景が僕にその時の感情を思い出させてくれる。

桜と青空

もう写真のネタがないかな、なんて思っていたけど、昨年秋に次女が生まれた。

今年の桜の写真は、妹を抱くお姉ちゃんらしい姿を撮るよ。そんな姿を想像しただけで、うれしくなり、天気予報を見てしまう。

桜の花びらが舞い始めたら、家族4人でピクニックに行こう、大きな桜の樹の下へ。あぁ、春よ、早く来い。

川原和之

PROFILE

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富山県在住。作業療法士。2人の娘と妻の4人暮らし。
https://instagram.com/kazuyukikawahara/

(制作 * エチカ)

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