子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.53

つわりや少食で食べられないときの対処方法とは!?産婦人科医が日常でできる工夫を伝授

2020/2/28
つわりや少食で食べられないときの対処方法とは!?産... つわりや少食で食べられないときの対処方法とは!?産...

「つわりでほとんど食べられず赤ちゃんに栄養が届くか心配」「食べたいのに食べられなくてつらい」など、つわりの悩みを抱えている妊婦さんはたくさんいます。また、もともと少食であまり食べられないという方もいますよね。つわりで食べられないときや少食の方はどうしたらいいのでしょうか。今回はつわり中や少食の妊婦さんができる食事や栄養に関する工夫をお伝えします。

●つわりで食べられないのはダメなこと?

つわりでなかなか食べられないと、おなかの赤ちゃんに栄養がいきわたっているのかな、と不安になってしまいますよね。ですが、妊娠初期の頃であればまだ赤ちゃんは小さく、もともと母体に蓄えられていた栄養で育つため、妊婦健診で赤ちゃんの発育状態が不良といわれていなければ心配する必要はありません。だいたい12週ごろからつわりが治まってくるので食欲の回復とともにバランスよい食事を心がけていきましょう。

●つわり中や少食の妊婦さんができる5つの食事の工夫

妊娠初期は母体に蓄えられていた栄養で育つので大丈夫、とお伝えしましたが、食事に関して工夫できることもあります。少食の方もつわり中の方も、これなら試せそうというものがあれば日常生活の中に取り入れてみてください。ただし、長引くつわりや少食などが原因で体重が増えないなどの場合はかかりつけ医の指導に従いましょう。

1)栄養バランスのよい食事を心がける!

少量ずつでも栄養バランスをよくとることが大切です。バランスのよい食事とは、エネルギーとなるごはんなどの「主食」、ビタミン・ミネラルを含む野菜や海藻類などの「副菜」、からだをつくる肉や魚などの「主菜」を組み合わせた献立です。また妊娠中はたんぱく質、カルシウム、カリウム、葉酸、鉄、ビタミンA・C・D・E・Kが通常より多く必要になるのでこれらも意識してとれるといいですね。和の献立にすると、栄養バランスが整いやすくなるほか、それぞれの相互関係もよいといわれています。とはいえ、つわり中は食べられるものが限られる方も多いですよね。そんなときは食べられるものを食べるようにしてください。

食事

2)緑黄色野菜などの栄養価の高い食材を積極的にとる!

かぼちゃ、オクラ、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、ピーマン、にんじんなどの緑黄色野菜は栄養が豊富。野菜以外では、卵、牛乳、豆腐、納豆なども栄養価が高いことで知られています。たとえばサラダなら、レタスやキュウリをブロッコリーやかぼちゃの温野菜に変えるなどの工夫で栄養価がアップします。また、野菜に限らず、旬の食材も栄養価が高いのでおすすめです。

食材

3)食べやすいものを食べる、また1日5食などに分けるのも手!

つわり中は食べ物の嗜好が変わることもあるので、自分が食べやすいものを選ぶことも大切。たとえば、卵や豆腐が食べられる場合は卵豆腐や茶わん蒸しを、あっさりした鶏肉が食べられる場合はサラダチキンを食べてたんぱく質を補います。果物や酸っぱいものが食べやすい場合は果物でビタミン・ミネラルを補う、ヨーグルトでカルシウムを補うことができますね。1回の食事で量を多く食べられないという方は、1日5食などに小分けにして食べるのもよいと思います。

ヨーグルト

4)食事の時間と飲み物を飲む時間をあける

妊娠中はこまめな水分補給が必要ですが、吐きづわりなどの場合は食事と飲み物を時間をあけてをとることで嘔吐しにくくなるようです。ムカムカしやすいときは、お水やお茶を食事と一緒に飲まずに、食事をとって30分~1時間してから飲むようにしましょう。

5)体を動かして栄養の吸収をアップ!

体を動かすと消化機能が働くため、栄養の吸収をよくします。散歩、マタニティヨガ、マタニティスイミング、マタニティビクス、ストレッチなど、無理のない範囲でできる運動を毎日とりいれるとよいですね。

マタニティヨガ

●最後に

つわり中は大変だと思いますが、いろいろ試してみて、自分に合った対処法を見つけられるといいですね。つわりが長引いてしまったり、もともと少食で体重が増えなくて不安などのときは妊婦健診で医師に相談しましょう。その際、日々の食事内容や体重の記録ができていると具体的に状況が伝えられるのでおすすめです。医師だけでなく管理栄養士からアドバイスがあることもあります。一人で悩まず、専門家に頼って一緒に乗り切っていきましょう。そしてぜひ楽しい妊娠生活を送ってほしいなと思います。

天神尚子

PROFILE

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産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

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