先輩パパとママの毎日コラムvol.34

ママのはじめて「今までになかった絵本体験!?」

2016/8/3
ママのはじめて「今までになかった絵本体験!?」 ママのはじめて「今までになかった絵本体験!?」

二人の男の子のママで写真家の長塚奈央さんに聞いた、子育ての楽しい&嬉しい!はじめてのこと。

こんにちは!

突然ですが、このコラム「ママのはじめて」の裏テーマ(!?)は、実は「ことば」だったりします。赤ちゃんの記録をつけるのは、なりたてのママ自身の言葉だし(1回目のテーマ)、ママ友同士でとりとめなくおしゃべりしあう、そこにあるのも言葉(2回目のテーマ)です。

ことば。

生まれてきた赤ちゃんって、どうやってことばを覚えるんだろう。人ってどうやってしゃべれるようになるんだろう。

それはママになった私にとって、とっても興味深いものでした。学生時代、外国語を専門に専攻していたこともあって、言葉を習得する難しさと楽しさが身にしみていたからかもしれません。

そこで今日は、赤ちゃんとことばの出会いのきっかけの1つでもある「絵本」のお話をしたいと思います。

赤ちゃんは生まれてきた時には言葉を発しないけれど、まわりの大人、特にママは毎日毎日たくさんの言葉をかけますよね!

朝おきたら「おはよう!」、何をするにも「お顔ふきますよー。」とか「おなかすいたかな?」とか声に出して赤ちゃんに話かけ、最初は1日中1人でしゃべっているような感じです(笑)。

そっか、そっか、こんなに毎日同じ顔が「ママですよー!」って近づいて来たら、「ママ」って言葉を覚えるよね、なんて思ったりしたものです。

そんな中で我が家の赤ちゃんと絵本との出会いといえば、「ブックスタート」なるものだったと思います。

「ブックスタート」って聞いたことありますか?

ブックスタートは、住んでいる市や区、町などが行っている活動の1つで、絵本を通して赤ちゃんと豊かな時間を過ごして欲しいという思いを込めて、赤ちゃんに絵本をプレゼントする活動です。(もともとはイギリスで始まったもので、日本でも現在900以上の市区町村が実施しているそうです。)

住んでいる場所によるかもしれませんが、私は赤ちゃんの3~4ヵ月検診の時に、会場で絵本を2冊いただきました。これがまさに「ママのはじめて」なる、新たな絵本体験の始まりとなりました。

私自身はもともと子どもの時からとても本が好きで、カメラマンの仕事につく前は書店につとめていました。

絵本も、子ども時代から手元に残してあるもの、大人になって買ったものなど、赤ちゃんが生まれる前から本棚にもあったのですが、ブックスタートで頂いた絵本は、これまで手にとったり、自分で選ぶような本では全然ありませんでした。

実際にブックスタートで頂いた2冊。当時、実際にブックスタートで頂いた2冊。

そう、忘れもしない頂いた2冊のタイトルは、 「じゃあじゃあびりびり」(まついのりこ) 「もこ もこ もこ」(作・谷川俊太郎/絵・元永定正) です。

じゃあ じゃあ びりびり、もこ もこ もこ……。そう口にするだけで、0才児の赤ちゃんと過ごした毎日がよみがえるほど今では思い出深いこの2冊。一体大げさでなく何百回ページをめくり、何百回子どもに読んできたかしら。

でも、実は受け取った瞬間は「へー、初めて見た。赤ちゃん絵本ね。」と、それほどこの本のおもしろさに気がついていなかった私でした。

「じゃあじゃあびりびり」は縦横14cmのスクエア型の本で、すごく厚手の紙。どこにでも持っていけるし、ちょっとやそっと赤ちゃんが投げたりかじったりしても大丈夫(笑)。

どのページも、綺麗な色の無地の背景に、犬や水道、踏切、らっぱなどのイラストと、「わんわんわん」「じゃあじゃあじゃあ」「かんかんかんかん」などの音が言葉で記されているだけのシンプルな絵本です。

破れても大事にしていた想い出の絵本中はだいぶ年季が。破れてしまったり、何度もテープで直したり。

それまで、絵が素敵だったり、ストーリーが好きだったり、ちょっとシュールな世界が展開されていたり、そんな絵本の世界が好きだった私には、この絵本はあまりにもシンプルすぎました。もし赤ちゃんがいなかったら、出会わず仕舞だったかもしれない絵本です。

それでも、赤ちゃんがご機嫌な時にひざにのせて、この小さな絵本を開き、「これ、おみずだねー。おみずはじゃあじゃあだねー。」と語りかける時間は、なんとものんびり、くつろいだ時間になりました。

授乳とオムツに追われるような、濃密な赤ちゃんと二人きりの時間の中でも、ちょっと絵本を開くと、柔らかな言葉がスルル、と出てきました。(そういえば、次男が赤ちゃんの頃は長男がこの本を読み聞かせてあげました。弟に読んであげる時には、不思議とゆっくりとした調子で、優しい声になるんですよね。)

絵本の中でも、お散歩中でも、「あ、わんわんだよ!」「ほら、むこうからわんわんきたよ。」って語りかける毎日。

そう、そんなふうにして、ある日衝撃の「今、ママってしゃべった!」に始まり、「わんわん、わんわん!」と子どもが、指差ししてママに教えてくれるような日がやってくるのです!

赤ちゃんに読むならどんな絵本がいいんだろう、って最初ママは思うかもしれません。私は、お母さん自身が好きで「これがいい!」と思う本なら何でもいいんだと思うけれど、やっぱり、「じゃあじゃあびりびり」のような本はとっても赤ちゃんにお薦めです。

もう1冊の「もこ もこ もこ」もすごい絵本ですよ! ぜひ絵本をめくって体験してほしいので、あえてここでは中身を説明しないでおきます。が、もしかすると最初ママは「???」かもしれません。 でも、赤ちゃんはすごいのです!まだ言葉を話す前だったけれど、この絵本を読んだ時の子どもの夢中な様子ったら!

これも好きなシリーズ。これも好きなシリーズ。友達の出産祝いにもよく送りました。

ことば、絵、そしてそれを通して時間を共有するママと赤ちゃん。その世界はとってもゆっくりで、贅沢なほど豊か。子どもは、あっという間に自分で本を読むようになるし、絵本以外の楽しい世界にもたくさん触れていきます。

ひざの上に赤ちゃんをのせて、一緒に楽しむ時間は振り返ると意外とつかの間。赤ちゃんが、本棚からエンドレスに本を全部だしちゃっても、目を離した隙にページをやぶいちゃったり、本にかじりついていたとしても、ページの中にひろがるめくるめく世界を、子どもと一緒に楽しんできた時間は思い出深い時間だったな、と思う今日このごろです。

たくさんの絵本を膝に乗せて
長塚奈央

PROFILE

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フォトグラファー。書籍・雑誌を中心に、料理や雑貨などの撮影を手がける他、写真の講師もつとめる。著書に『上海口福案内』(六耀社)、参加書籍に『ママ&パパのためのスクラップホリックの本』『こどもといっしょに食パン料理の本』などがある。

(制作 * エチカ)

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