先輩パパとママの毎日コラムvol.399

まだまだ新米おかあさん「ひらがなの名前をつけた、そのわけ」

2021/3/2
まだまだ新米おかあさん「ひらがなの名前をつけた、そ... まだまだ新米おかあさん「ひらがなの名前をつけた、そ...

ライター・藤沢あかりさんが、ふたりのお子さんに名前をつけたときのエピソードです。

親になるとわかったとき。すごく楽しみにしていたことなのに、大きな責任感からのプレッシャーもあり、迷ったり悩んだり。でもやっぱり楽しくて、わくわくの連続だったことがあります。それが「名づけ」。

初めての妊娠では、比較的早い段階で「女の子ですね、間違いなし!」と複数の先生に太鼓判を押され、考える時間がたっぷりありました。しかしこれがまぁ、悩む悩む。どの名前も悪くないけれど、「でも…」と決め手に欠ける。候補を挙げれば挙げるほど、どれもいい気がするし、どれも違う気もする。名前に正解、不正解はないうえに、まだ顔も見ぬわが子。悩むのも当然です。

ただ、名づけの方向性として、ひらがなの名前がいいな、ということは最初からぼんやりとイメージしていました。

小さいあんよ

わたし自身、「あかり」というひらがなの名前をもらいました。 そして大人になった今、ふと思うのです。小さいころからずっと、「あかりちゃん」と呼ばれてきたなぁと。小学生になってからも、「ふじちゃん」「ふじ」みたいな「藤沢」という苗字にまつわるあだなではなく、やっぱり「あかりちゃん」。その後も、友達や先生、さまざまな場所で下の名前で呼ばれていた気がします。

さらには職場でも、フリーランスとなった今でも「藤沢さん」より、「あかりちゃん」「あかりさん」と初対面でも呼んでもらえる機会が多くあります。

ひらがなは、漢字に比べてパッと目に飛び込み、呼びやすいのかもしれませんし、わたしが目立った特徴のない苗字だというのもあるかもしれません(わたしが「五郎丸あかり」「中尊寺あかり」みたいなカッコイイ名前だったら、苗字で呼ばれていたかもしれませんし)。

帽子をかぶっている赤ちゃん

ひらがなだから下の名前で呼ばれやすいわけでもなく、もちろん下の名前で呼ばれるからいい、という話でもありません。ただ、わたし自身が感じる印象としては、初対面のときに「藤沢さん」より、「あかりさん」と呼んでもらえると、なんとなく相手との距離の縮まりかたが違うように思うのです。

子どものころは、ひなまつりの時期になると「あかりをつけましょ爆弾に〜」と合唱され、友達から「なんで漢字ないの?カワイソウ(!)」と言われたことも数知れず(当時はひらがなってすごく少なかったんですね)。

それでもやっぱり、初対面の人から名前で呼んでもらえることは、コミュニケーションが決して上手ではないわたしにとって、少なからず助けてもらえる存在であったことは確かです。

そんなわけで娘にも、いろいろな人から気軽に呼んでもらえたらいいな、という願いも込めて、ひらがなで名前をつけました。

寝ている赤ちゃんちなみに息子は漢字一文字。一発変換できそうな、昔ながらの読みかたです。

とはいえ、「万葉集の歌から一字とって」「地元に伝わる神話の名前から」みたいな、ちょっとインテリジェンス漂う名前のつけかたにも憧れていたので、当時ピンとくるものがあれば、ひらがなにこだわらずそうしていたかもしれません(残念ながら文学にも歴史にも精通しておらず思いつかなかった)。生まれた季節と漢字の雰囲気がばっちり合った名前に出会うと、「なんて雅(みやび)な名前なんだ〜!」と、ときめきまくったりもします。しかし、うちの子には今の名前が一番しっくりきている気がするし、まわりのお友達を見ても、みんなそれぞれに今の名前が似合っているなぁと感じるから不思議なものです。

由来や意味にこだわるか、字画にこだわるか。はたまた音やリズムを重視したり、ひらめきで決めるのもまた良し。それぞれにストーリーがあり、奥深き名前の世界。

いまだに、「もし今、名前をつけるなら…」なんて想像することがありますが、この先、名前をつけるチャンスがあるならば犬か猫くらいかもしれません。孫誕生の折に、張り切って名前候補一覧を送りつけるおばあちゃんにならないよう、くれぐれも気をつけようと思います。

藤沢あかり

PROFILE

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編集者、ライター。衣食住や子育てなど暮らしまわりを中心に執筆。主流・傍流にこだわらない視点で丁寧に取材し、分かりやすい言葉を使って伝えることがモットー。2012年、2017年、どちらも夏生まれの2児の母。
https://www.instagram.com/akari_kd/

(制作 * エチカ)

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