先輩パパとママの毎日コラムvol.478

はっぱと風とみちくさ子育て「幸せなキックとパンチ 〜『胎動』を待ちわびて〜」

2022/3/25
はっぱと風とみちくさ子育て「幸せなキックとパンチ ... はっぱと風とみちくさ子育て「幸せなキックとパンチ ...

自然豊かな信州でネイチャーガイドをしながら2児の子育てに奮闘中の阿部菜々恵さん。今回は妊娠して一番幸せを感じたという「胎動」のお話です。

息子の妊娠がわかって、最初に、涙してしまったのは心音を聴いたときでした。どくん!どくん!と力強い音を聴かせてもらい、ああ!生きているんだ。私の体の中に生命が宿ったんだと、しばらく家に帰ってもそのときの心音とエコーの写真を眺めながらひとり幸せな気持ちになり、夫にも興奮して話したことを思い出します。

初期のエコー写真と心音の写真。初期のエコー写真と心音の写真。

しかし、その後妊娠初期は健診の回数が月に1度なので、次の健診までの間がとても長くて、無事に生きているのかな。成長しているかな。ほんとに妊娠しているのかな?と自分ではほとんどわからないので、健診の日をいつも待ちわびていました。ですから、赤ちゃんがいることを自分で実感できる「胎動」を早く感じたい!とずっと思っていました。

胎動ってどんな風に感じるのだろう。あ、動いた!とかよく言っているけど、ほんとにわかるのかな。手足が飛び出てくるって本当?などといろいろ想像する日々でした。

そして、今か今かと待ちわびていた、ある日の午後。おなかにぽこぽこぽこ。いや、ぷくぷくぷく?おなかから空気が??なんだか不思議な感触…ん?なんだこれ?気のせいかな?あ、また ぽこ♪ぽこ。

走っていたり何かしていたら、見逃しそうな小さな体の中での動き。おなかの中で空気が動くような、でも今まで感じたことのない不思議な感覚。

これは…!!胎動??

わあ!わあ!と嬉しくて何度もおなかをさすり、元気?もっともっと!!なんておなかに話しかけました。なんだか急に私の周りに光がさしてあったかーいものにふんわりと包まれたようなとても幸福な瞬間でした。

母子手帳の記録。初めて胎動を感じたのは5ヵ月の頃でした。母子手帳の記録。初めて胎動を感じたのは5ヵ月の頃でした。

仕事から帰ってきた夫に息せききって伝えるものの、まだほんの小さな、私でも見逃してしまいそうな感覚。でもその日は二人で喜び合い、おなかを触って赤ちゃんが無事に成長してくれることを願いました。そしてその夜は胎動を感じたくて、ずっとおなかに意識が向いてちょっと寝不足になったのでした。

やがておなかも大きくなり、ぽこぽこと可愛かった胎動はぐにんぐにん!ぐるぐるん!とダイナミックになっていきました。夫が触ってわかってくれたときは本当に嬉しかったです。娘を妊娠したときはお風呂に入るときなどに息子が何度もおなかに話しかけてくれ、その度におなかの中の赤ちゃんはくるん♪くるん♪と反応して、息子が「あ、動いてる!動いてるね!」なんて言ってくれて、だんだんと赤ちゃんが家族になっていったような気がしました。

元気に大きくなってね。おなかから出てきたらりんご食べようね〜と10ヵ月の頃。元気に大きくなってね。おなかから出てきたらりんご食べようね〜と10ヵ月の頃。

そして妊娠後期、息子も娘もなんと3600g越えのビックベイビーだったからか?おなかもぐんぐん大きくなり、胎動がすごくて(涙)、もうぐにょんぐにょんぐにぐに!という感じでした。夜中に痛くて起きてしまうことも度々ありました。もう本当に元気で元気でありがたいのですが、お願いだから静かに寝てくださいとおなかに呼びかけたものです(笑)。

出産直前は出ようとする準備をしているのか、頭がぐりぐりと下に向かって下がってきて、歩いていてもイタタタタ。となることがしょっちゅうでした。

そして無事に産まれ、嬉しいときにブンブンと手を振ったり、オムツ替えのときに思い切り反抗し(?)、力強いキックをする娘の足を見ては、おなかの中でこの手がこの足がこうして動いていたんだね。としみじみ思うのです。オムツ替えのときは闘いですが(笑)。

(左)足をなめて喜ぶ娘。やわらかーい!(右)ぷにぷにのかわいいやんちゃな手。(左)足をなめて喜ぶ娘。やわらかーい!(右)ぷにぷにのかわいいやんちゃな手。

「胎動」って妊婦さんの特権ですよね。痛かったり眠れないこともあるけれど、幸せなキックにパンチ。今は息子と娘にダイレクトにやられていますが(涙)、思い出すだけでほんわりにんまりしてしまう。素敵な経験をありがとう。ずっと忘れずにいたいなあ〜。

阿部菜々恵

PROFILE

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ネイチャーガイド/保育士/野草ハーバリスト
道草を愛でること、食べることがライフワーク。軽井沢周辺の森のガイド、森のようちえんの講師などを行う。子育てや暮らしの中で美味しく、楽しい自然の楽しみ方を提案。野草茶、野草料理などのワークショップなども行う。下見と味見は2016年生まれの食いしん坊な息子と2021年生まれの娘と共に。

(制作 * エチカ)

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